出版社内容情報
【内容】
運動の「構造」から運動の「文化」へ――
多様な研究例を通して、社会運動の「文化的側面」の諸相に迫る。
構造主義的な議論や分析が主流だった80・90年代前半から90年代中頃以降の
文化的研究へのターンへと、近年の社会運動研究は大きく変化している。はたして社会運動の「文化的側面」とは何なのか。本書では、多様な研究例を通して、社会運動の「文化」を捉え、その実相に迫る。
【目次】
はじめに
第1章 社会運動と文化――なぜ運動の「文化」的研究なのか
1 登場の背景とその衝撃
2 研究の広がりと豊かさ
3 「文化」概念の諸特質
4 現在の眺めとして
第2章 理論と方法論の奇妙な結託
――「社会運動と文化」研究における批判的検討
1 社会学全般を巻き込む革新
2 「素朴な存在論」
3 「懐疑的な認識論」
4 理論と方法論の奇妙な結託
5 研究法の刷新は可能か
6 結 語
第3章 現代アメリカ合衆国における男性運動
――プロミス・キーパーズを中心に
1 プロミス・キーパーズとは
2 プロ・フェミニズムの男性運動
3 「男性差別」告発の男性運動
4 傷つきやすい男たち
5 バックラッシュ/(男らしさ)の回復への動き
6 プロミス・キーパーズの登場
7 プロミス・キーパーズのゆくえ
第4章 対抗文化とナショナリズム
――韓国における文化運動論の形成と解体
1 問題提起
2 韓国の文化運動論における「文化」と「運動」――80年代の論議から
3 コリアにおける「文明/文化」言説と対抗文化の運命
4 文化運動以後――90年代とそれ以降の課題
5 結 語
第5章 拡大する「政治」と社会運動論――「文化」のインパクトを中心に
1 「文化」の変容
2 「政治」概念の拡がり
3 モダニティの中の社会運動論
4 社会運動と文化――新しい社会運動の視座
5 今後の研究戦略――一つの試み
第6章 対抗的社会運動とルサンチマン処理文化――障害者の解放運動を中心に
1 アイデンティティの問題へ
2 文化と社会運動への捉え方について
3 社会運動以前の原光景としての生きづらさ
4 ルサンチマン処理性能の比較社会学へ
5 現代の支配構造への挑戦としての「対抗」の脱構築
第7章 ある教育運動の盛衰――共鳴性分析の批判的適用
1 導入――『ひと』という啓蒙運動
2 理論的諸問題
3 データ
4 動員レベルの変化
5 『ひと』言説
6 言説環境の変化
7 考察――『ひと』言説と言説環境
8 結 語
第8章 学園闘争の統計的研究と学生集団の事例研究
――社会主義運動仮説と新しい社会運動仮説を対象として
1 2つの仮説の設定
2 学園闘争の統計的研究
3 事例研究――東大闘争のプロセスと各集団の動向
4 事例研究――各集団の位置付けと仮説の検証
5 おわりにかえて
終章 社会運動の文化的研究の課題――その問題とこれから
1 論点とピットフォール
2 支配と意味へ
3 研究の過去と未来
索引
内容説明
構造主義的な議論や分析が主流だった80・90年代前半から90年代中頃以降の文化的研究へのターンへと、近年の社会運動研究は大きく変化している。はたして社会運動の「文化的側面」とは何なのか。本書では、多様な研究例を通して、社会運動の「文化」を捉えることの実相に迫る。
目次
第1章 社会運動と文化―なぜ運動の「文化」的研究なのか
第2章 理論と方法論の奇妙な結託―「社会運動と文化」研究における批判的検討
第3章 現代アメリカ合衆国における男性運動―プロミス・キーパーズを中心に
第4章 対抗文化とナショナリズム―韓国における文化運動論の形成と解体
第5章 拡大する「政治」と社会運動論―「文化」のインパクトを中心に
第6章 対抗的社会運動とルサンチマン処理文化―障害者の解放運動を中心に
第7章 ある教育運動の盛衰―共鳴性分析の批判的適用
第8章 学園闘争の統計的研究と学生集団の事例研究―社会主義運動仮説と新しい社会運動仮説を対象として
終章 社会運動の文化的研究の課題―その問題とこれから
著者等紹介
野宮大志郎[ノミヤダイシロウ]
1955年生まれ。1992年ノースカロライナ大学チャペルヒル校社会学大学院博士課程修了。社会学博士(Ph.D.)(ノースカロライナ大学チャペルヒル校、1992年)。現在、上智大学国際関係研究所教授
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