Minerva人文・社会科学叢書
マックス・ヴェーバーの犯罪―『倫理』論文における資料操作の詐術と「知的誠実性」の崩壊

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  • サイズ A5判/ページ数 300,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623035656
  • NDC分類 331.5
  • Cコード C3336

出版社内容情報

【内容】
貴方は我々をどこへ連れて行こうと言うのか――
あのドイツ・ヴェーバー学界重鎮ヴィルヘルム・ヘニスをして恐怖せしめた驚愕の書。
 はたして人びとが崇拝するほどにヴェーバーは正しかったのか。
厳密なテキスト・クリティークにもとづき、その検証を試みる。
ドイツ・ヴェーバー研究の世界に衝撃を与えた先鋭な研究の全貌が今はじめて明らかとなる。
《2003年度、第12回山本七平賞》受賞


【目次】
はじめに
序文
第1章 “calling”概念をめぐる資料操作
第2章 ”Beruf“―概念をめぐる資料操作
第3章 フランクリンの『自伝』をめぐる資料操作
第4章 「資本主義の精神」をめぐる資料操作
終章 『倫理』論文からの逃走
あとがき
文献目録
事項索引
人名索引

内容説明

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が出版されてから既に百年になろうとする。その百年間、ヴェーバーの誤魔化しは見逃され続けてきた。果たして人々が崇拝するほどにヴェーバーは正しかったのか。本書は厳密なテキスト・クリティークにもとづき、その検証を試みる。ドイツ・ヴェーバー研究の世界に衝撃を与えた先鋭な研究の全貌が今初めて明らかとなる。

目次

第1章 “calling”概念をめぐる資料操作―英訳聖書を見ていたのか(犯行現場としての『倫理』論文;ヴェーバーの主張とその分析 ほか)
第2章 “Beruf”‐概念をめぐる資料操作―ルター聖書の原典ではなかった(“Beruf”をめぐるアポリア;ヴェーバーによるアポリアの回避 ほか)
第3章 フランクリンの『自伝』をめぐる資料操作―理念型への固執(フランクリンの功利的傾向;「神の啓示」の謎 ほか)
第4章 「資本主義の精神」をめぐる資料操作―大塚久雄の“誤読”(「資本主義の精神」という魔術;「資本主義の精神」の構成 ほか)
終章 『倫理』論文からの逃走

著者等紹介

羽入辰郎[ハニュウタツロウ]
1953年新潟市に生まれる。1975年埼玉大学教養学部卒業。1976年日本社会事業学校研究科卒業。1989年東京大学教養学部教養学科・教養学科第二(地域文化)・ドイツ分科卒業。1995年東京大学人文科学研究科・倫理学専攻・博士課程終了(博士・文学)。1999年青森県立保健大学教授。現在に至る
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kanaoka 57

12
「近代西欧の資本主義を形造るうえで契機となった資本主義の精神は、現世における営利衝動から生じたものでは無く、それとは全く正反対の古プロテスタンティズムの禁欲的職業倫理に由来する。」という鮮やかな着想に囚われたマックス・ウェーバーは、これを証明する構想に突き進み、自らの理論にあうように事実を捻じ曲げ、真実を糊塗していく。そしの彼の知的誠実性に欠ける詐欺師としての姿が浮き彫りにされていく。極めて説得力のある内容でした。なお、本書を読む前提として、まずは、プロ倫とフランクリン自伝を読むことをお勧めします。2017/12/12

ステビア

7
今更ながら。内容の妥当性を議論する資格はないが、文献学すげええええって思った(小並感) 折原先生の本もきちんと読みます。2013/10/24

Iwata Kentaro

3
プロではないので詳細には踏み込めなかったけど、社会学者はかく切り込むべし、な本で文章の切れ味の良さもあってとてもよい本でした。2019/10/31

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