出版社内容情報
【内容】
イギリスは、2000年前にローマによってヨーロッパに組み込まれて以来、幾度となく外来の文化と接触してきた。イギリスの豊かな文化を培ってきた「革新を受けいれる精神と伝統を大切にする心」が混在する絶妙のバランス感覚で、人々は何を考え、何を感じてきたのか。
本書は、歴史的背景をふまえながら、不思議でユニークなイギリス文化を総体的に捉えるための入門書である。現代イギリスの情報満載! 巻末資料も充実!
【目次】
はしがき/イギリス略図
第1部 風土と伝統
第1章 4つの文化圏(緒方孝文)
概説 イギリスのなりたち
1 バラの花咲く丘陵の郷、イングランド
2 誇りたかきケルトの国、ウェールズ
3 森と湖の国、スコットランド
4 みどりの島、北アイルランド
原典をたのしむ
「イギリス的性質についてのノート」
「はじめて見るイングランド」
第2章 王室と宗教(橋本清一)
概説 王室の宗教的変遷
1 イギリス国教会の誕生と発展
――ヘンリー8世からエドワード6世へ
2 血まみれのメアリと処女王エリザベス
3 王権神授説とピューリタン革命
4 王政復古から名誉革命へ
原典をたのしむ
『ユートピア』
『欽定訳聖書―山上の垂訓―』
「権利の章典」
第3章 貴族の城館と庭園(杉恵惇宏)
概説 カントリー・ハウスの誕生と盛衰
1 カントリー・ハウスとナショナル・トラスト
2 ガーデニングと風景式庭園
3 使用人部屋(Below Stairs)
4 ステイトリー・ホーム・ビジネス
――館の一般公開へ
原典をたのしむ
『高慢と偏見』
『日の名残り』
第2部 表象の身ぶり
第4章 われら役者は影法師(佐久間康夫)
概説 中世から19世紀までの劇場と俳優
1 シアター・ロイヤル・ドゥルリー・レイン
2 ウェスト・エンドの誘惑
3 名優はいかに鍛えられたか
――アンソニー・ホプキンズの演技の秘密
原典をたのしむ
『テンペスト』
「ロンドンの劇場に寄せて」
第5章 拡がる地平(木下 卓)
概説 2つの革命
1 鉄道の誕生
2 鉄道の社会学
3 旅とイデオロギー
4 植民地主義と博物館
原典をたのしむ
『朝鮮奥地紀行』
第6章 はばたくメディア(清水 明)
概説 ジャーナリズムと出版の進展
1 文学的ジャーナリズムとコーヒー・ハウス
2 近代的出版形態と活字文化
3 高級紙と大衆紙
4 オーウェルとプロパガンダ
原典をたのしむ
『スペクテイター』
「チェスターフィールド伯爵閣下」
第3部 生き方をもとめて
第7章 子どもへのまなざし(太田雅孝)
概説 〈子ども〉の文化史
1 救貧院・子どもの労働
2 マザー・グースの唄
3 〈子ども〉のイメージの変遷
4 キャロルとアリスの物語
原典をたのしむ
『不思議の国のアリス』
「マザー・グースの唄(1)(2)(3)」
第8章 ジェントルマンのたしなみ(中野葉子)
概説 教育
――伝統と改革のつづら織り
1 騎士道からジェントルマン教育へ
2 はじめにオックスブリッジありき
3 パブリック・スクールの功罪
4 総合学校システムへの期待
原典をたのしむ
『完璧なる紳士』
『トム・ブラウンの学生生活』
『オックスフォード』
第9章 問いかける女性たち(窪田憲子)
概説 〈天使〉たちの旅路
1 もうひとつの女性史
――ウーマン・クエスチョン
2 束縛のなかから
3 長きイバラの道
――参政権獲得まで
4 女性と文学
原典をたのしむ
『女性の権利の擁護』
『自分だけの部屋』
第4部 変貌する世界観
第10章 「大英帝国」の光と影(武井博美)
概説 「帝国」という意識
1 パクス・ブリタニカ
2 ヴィクトリアニズム
3 リスペクタビリティ
4 世紀末文化
原典をたのしむ
「ロンドン」
『文化と帝国主義』
第11章 パラダイム・シフト
――〈存在の鎖〉から〈モダニズム/ポストモダニズム〉まで
(植月恵一郎)
概説 概念史をたどる
1 〈錬金術〉の文化史
2 〈山〉の文化史
3 〈海〉の文化史
4 〈ユートピア〉の文化史
原典をたのしむ
『トロイラスとクレシダ』
『楽園喪失』
『第1周年追悼詩』
第12章 英語世界の万華鏡(松原良治)
概説 ゲルマンの部族語から世界語へ
1 英語のはじまり
2 アーサー王と中世ロマンス
3 処刑された翻訳者
――英訳聖書をめぐって
4 多様性と階級
原典をたのしむ
古英語による「主の祈り」
『オクタヴィアン』
参考文献/略年表/図版写真出典一覧/人名・作品索引/事項索引
内容説明
イギリスは、2000年前にローマによってヨーロッパに組み込まれて以来、幾度となく外来の文化と接触してきた。イギリスの豊かな文化を培ってきた「革新を受けいれる精神と伝統を大切にする心」が混在する絶妙のバランス感覚で、人々は何を考え、何を感じてきたのか。本書は、歴史的背景をふまえながら、不思議でユニークなイギリス文化を総体的に捉えるための入門書である。現代イギリスの情報満載!巻末資料も充実。
目次
1 風土と伝統(4つの文化圏;王室と宗教;貴族の城館と庭園)
2 表象の身ぶり(われら役者は影法師;拡がる地平;はばたくメディア)
3 生き方をもとめて(子どもへのまなざし;ジェントルマンのたしなみ;問いかける女性たち)
4 変貌する世界観(「大英帝国」の光と影;パラダイム・シフト―“存在の鎖”から“モダニズム/ポストモダニズム”まで;英語世界の万華鏡)
著者等紹介
佐久間康夫[サクマヤスオ]
1955年生まれ。青山学院大学文学部教授
中野葉子[ナカノヨウコ]
1956年生まれ。早稲田大学講師、ニキ美術館顧問
太田雅孝[オオタマサタカ]
1952年生まれ。大東文化大学文学部教授
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