出版社内容情報
【内容】
人生の最初期に人間形成の基礎・人との基本的信頼関係を築く大切な乳児期。成長・変化の著しい乳児期の発達の特徴を理解し、環境と生活・遊びを通して、一人ひとりの個人差に即した乳児保育の原理と実践を学ぶ。
【目次】
第1章 乳児と育児文化(阿部明子)
1 育児文化と子ども
2 乳児保育とその移り変わり
3 生活様式と育児用品
第2章 保育園文化 乳児の育ちをどのようにとらえるか(前原 寛)
1 保育園文化とは
2 社会のなかに潜む育ちの視点
3 家庭生活と園生活
4 多様性としてとらえられる子どもの育ち
5 乳児の育ちをとらえるということ
第3章 環境による保育(大場幸夫)
1 育ての基底となる日々がある
2 人として生きる生活を始める
3 乳児が文化化する
4 「環境による保育」を経験する
第4章 乳児の日常:生活(白井江里奈)
1 保育園の生活
2 生活の場面ごとに見た子どもの姿と保育者のかかわり
第5章 乳児の日常:遊び(安井素子)
1 子どもの心の動きを見つめる
2 遊びを楽しくする環境
第6章 乳児の日常の基盤:健康と安全(杉山栄子・新山裕恵)
1 家庭の生活を視野に入れて
2 保育園での生活
第7章 乳児の日常の計画と評価(吉村真理子)
1 まず記録することから
2 指導計画は個人別にたてるのが原則
3 計画の実現は環境を用意することから
4 家庭との連携
5 評価について
第8章 日常生活を通して育つもの 乳児の育ち(久賀谷洋)
1 はじめまして:誕生~6か月未満のころ
2生活世界の拡がり:6か月~1歳3か月未満のころ
3 生活世界のなかで(自分と出会う):1歳3か月~2歳
4 生活世界の深まり(自律にむかって):2歳~3歳未満
第9章 乳児と共に暮らす大人(阿部和子・小西睦子・久富陽子)
1 関係のあり方を考えるために
2 乳児と日々を共に暮らす大人どうし
3 保育園と他機関の連携
4 異文化のなかで子どもを育てること
第10章 乳児保育を支えるもの(佐伯一弥)
1 はじめに:ちょっとした 演習問題 を
2 保育所保育指針を読む
3 私を見つめ直すこと
第11章 乳児保育の今後の課題 育ちを網の目のなかでとらえるという視点
(阿部和子)
1 本書で強調したいこと
2 現実と実践感覚とのズレ
3 育つ場の問題
4 生活や発達を網の目のなかで理解する
5 保育現場の特性
6 社会の期待にどう応えるか
7 社会が保育者に期待することに対する保育者の問題
内容説明
近年、子どもやその世話をする大人が日々を暮らしている社会が、大きく変化してきている。この変化は、それまでの暮らしを支えてきた考え方や行動・ふるまい方など文化にまで及んでいる。それらの変化は、子どもの育ちにも影響を及ぼす。こうした変化を考えると、社会・文化という視点を抜きには、十分な保育の展開ができないところにきていると考えられる。本書は、これまでの直接的な保育者・大人と子どものかかわりの重要性に加えて、そのかかわりに影響を及ぼす、社会・文化のなかで保育を考えるという視点を強調している。
目次
乳児と育児文化
乳児の日常:遊び
乳児の日常の基盤:健康と安全
乳児の日常の計画と評価
日常生活を通して育つもの―乳児の育ち
乳児と共に暮らす大人
乳児保育を支えるもの
乳児保育の今後の課題―育ちを網の目のなかでとらえるという視点〔ほか〕
著者等紹介
阿部和子[アベカズコ]
1947年生まれ。聖徳大学短期大学部教授
大場幸夫[オオバサチオ]
1936年生まれ。大妻女子大学教授
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