出版社内容情報
【内容】
西欧社会はそれぞれの源を中世盛期に持つ。当時の社会のあり方がその後の西欧をほかの地域から分かち、その内部にあっては多様性をもたらす分岐点となった。イベリア半島社会はほかの西欧と何を共にし、何を別様としたのか。中世カスティーリャ社会の政治から心性に至る諸事象の必然性や相互連関を考察する本書は、通史からは見えにくい中世「スペイン」社会の基層に迫り、北西ヨーロッパとスペインとの共通点と乖離の原点を問う歴史人類学の書である。
ブルジョワジーの脆弱性、異教徒との共存、法定結合姓など、スペイン特有の事象を詳らかにし、平民騎士制から「ブルジョワの裏切り」を読み取り、ユダヤ人追放のプロセスからカトリックの牙城となる近世スペインの姿を占う。さらに、西欧に共通する「命名革命」や環地中海に広く見られる名誉観念をはじめて明らかにする。
【目次】
●目次――
序 文
第1部 社 会
第1章 平民騎士(都市有力者)層の誕生
――奢侈令をとおして
第2章 異教徒との共存意識
――ユダヤ人との共存
第3章 異教徒排斥への道
――反ユダヤ主義と追放
第2部 家 族
第4章 姓名システム
――命名革命と結合姓の由来
第5章 中世における婚資・嫁資の変遷
――D・ハーリヒ仮説を検証して
第3部 心 性
第6章 女性の貞操をめぐる名誉観念
――中世におけるその形成過程
第7章 名誉観念の地中海性
あとがき/注/文献リスト/索引
内容説明
西欧社会はそれぞれの源を中世盛期に持つ。当時の社会のあり方がその後の西欧をほかの地域から分かち、その内部にあっては多様性をもたらす分岐点となった。イベリア半島社会はほかの西欧と何を共にし、何を別様としたのか。中世カスティーリャ社会の政治から心性に至る諸事象の必然性や相互連関を考察する本書は、通史からは見えにくい中世「スペイン」社会の基層に迫り、北西ヨーロッパとスペインとの共通点と乖離の原点を問う歴史人類学の書である。ブルジョワジーの脆弱性、異教徒との共存、法定結合姓など、スペイン特有の事象を詳らかにし、平民騎士制から「ブルジョワの裏切り」を読み取り、ユダヤ人追放のプロセスからカトリックの牙城となる近世スペインの姿を占う。さらに、西欧に共通する「命名革命」や環地中海に広く見られる名誉観念をはじめて明らかにする。
目次
第1部 社会(平民騎士(都市有力者)層の誕生―奢侈令をとおして
異教徒との共存意識―ユダヤ人との共存
異教徒排斥への道―反ユダヤ主義と追放)
第2部 家族(姓名システム―命名革命と結合姓の由来;中世における婚資・嫁資の変遷―D・ハーリヒ仮説を検証して)
第3部 心性(女性の貞操をめぐる名誉観念―中世におけるその形成過程;名誉観念の地中海性)
著者等紹介
芝紘子[シバヒロコ]
1944年東京都生まれ。1966年津田塾大学学芸学部英文科卒業。1970年マドリード・コンプルテンセ大学に留学(~74年)。現在、愛知学泉大学非常勤講師
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感想・レビュー
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