出版社内容情報
【内容】
本書は、近代市民社会についての社会思想、とりわけドイツの近代社会思想を通して、近代市民社会の特徴と現代資本主義社会の本質を考察する。資本主義市場経済の発展と変貌の全体像を捉え、その本質を理解するため、マルクス、ヴェーバー、カウツキーなどのドイツ社会思想を中心に、主要欧米思想家との対比も行う。近代市民社会の存在と高度資本主義社会の発展の関係を社会思想史の視座から解析し、地球市民社会の構築という現代的視座をもってドイツ社会思想を探究する。
【目次】
第1章 市民社会と資本主義経済の発展
――A.スミス、K.マルクス、M.ヴェーバー
第2章 市民社会と社会主義
――J.S.ミル、K.マルクス、M.ヴェーバー
第3章 市民社会と高度資本主義
――R.ヒルファディンク、J.M.ケインズ、J.ハーバーマス
第4章 高度資本主義と世界福祉国家
――官僚制批判とマルクス主義
第5章 カウツキーの高度資本主義観
――E.ベルンシュタインとの比較
第6章 カウツキーの社会民主主義
――漸進的社会主義観
第7章 マルクス、ヴェーバーと現代
――世界市民(労働者)国家の確立に向けて
あとがき/索引