Minerva英米文学ライブラリー<br> 多文化主義で読む英米文学―あたらしいイズムによる文学の理解

Minerva英米文学ライブラリー
多文化主義で読む英米文学―あたらしいイズムによる文学の理解

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  • サイズ A5判/ページ数 313,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784623030705
  • NDC分類 930.2
  • Cコード C3398

出版社内容情報

【内容】
マルチカルチュラリズムで読む
これまで、人種・民族・セクシュアリティなどにおいてマイノリティとされていた人びとは、「中心」に対する周縁の「他者」として永きにわたり価値を否定され続けてきた。だが、1980年代以降のアメリカで本格化した主流文化の問い直しやマイノリティの可視化などの課題を担う多文化主義の理念は、文学においても、「正典(カノン)」の問いなおしやマイノリティ自身による自己の語りの主体化といった形で顕在化してきた。
そこで本書は、多文化主義批評の知見から刺激をうけつつ、英米文学の本流も傍流も読みなおしてみようとするものである。

【目次】
第1部 他者/自己の表象

1. 黒さと想像力
2. 歴史の再構築と再記憶
3. 語りとは革新的創造行為である
4. アイデンティティの再現/実践

第2部 ポストコロニアルの表象

5. イギリス的主体とインド的他者
6. 周縁の地理学/歴史学
7. アルスターユニオニストの孤独
8. ポストコロニアルの美学

第3部 多文化の表象

9. 多文化主義的家族像
10. 混血インディアン女性の自己表象
11. 書斎のなかでうまれた南大平洋の物語
12. ロマンス、ファンタスティックなるもの、歴史表象
13. 暗黒の娘たち
14. エキゾティシズム

索引

内容説明

これまで、人種・民族・セクシュアリティなどにおいてマイノリティとされていた人びとは、「中心」に対する周縁の「他者」として永きにわたり価値を否定され続けてきた。だが、1980年代以降のアメリカで本格化した主流文化の問い直しやマイノリティの可視化などの課題を担う多文化主義の理念は、文学においても、「正典(カノン)」の問い直しやマイノリティ自身による自己の語りの主体化といった形で顕在化してきた。本書は、多文化主義批評の知見から刺激をうけつつ、英米文学の本流も傍流も読みなおしてみようとするものである。

目次

第1部 他者/自己の表象(黒さと想像力;歴史の再構築と再記憶―奴隷体験記に見る黒人男性ナラティヴと黒人女性ナラティヴの相違;語りとは革新的創造行為である―アフリカ系アメリカ人女性作家トニ・モリスン ほか)
第2部 ポストコロニアルの表象(イギリス的主体とインド的他者―『ジェイン・エア』から『インドへの道』へ;周縁の地理学/歴史学―『イギリス人の患者』を読む;アルスターユニオニストの孤独―トム・ポーリンの詩を通して ほか)
第3部 多文化の表象(多文化主義的家族像―日系アメリカ作家たち;混血インディアン女性の自己表象―モーニングドーブの『コゲウェア、ある混血の物語』;書斎のなかでうまれた南太平洋の物語―メルヴィルの『タイピー』 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小説大好き

2
90年代の本と言うことで、今では問題も多く指摘されている多文化主義が「あたらしいイズム」として紹介されている点に時代を感じます。白人男性の価値観により周縁化されてしまったマイノリティの地位を相対化したまま問い直すという多文化主義の基本的な考え方をなぞった丁寧な作品批評が好印象な良著であると思います。非常に勉強になりました。その中でも第12章が個人的には頭一つ抜けて面白く、このような批評が自分にもできたらなーと謎の羨望を覚えてしまいました。「黒人」「女性」など各属性の交差にはそれほど触れられてない印象です。2022/04/15

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