出版社内容情報
【内容】
〈自分では自分の顔を見ることができない〉そんな自明のことを人は忘れてしまっている。鏡はそれほど日常生活のなかに入りこんでいる。赤ちゃんは自分の顔が鏡に映っていても、それを自分の顔だとわからない。それではいつごろから鏡の中のもうひとりを〈わたし〉と〈自分〉だとわかるのだろうか――。
Rene Zazzo REFLETS DE MIROIR ET AUTRES DOUBLESの全訳。
【目次】
まえがき
読者へ
第 部 事実の収集
1 すべてはこうして始まった
2 ガラスと鏡の実験
3 手に持てる鏡
4 一連の実験の実施経過とその内容
5 ビデオによる実験
6 大きな鏡と小さな鏡による実験
7 「ボックス内に座る母親」実験
8 背後に回り込みのできる鏡の実験
9 鏡の前のイヌとサル
10 鏡以外の似像:写真と影
第 部 まとめと考察
11 子どもがついに自分の顔を知る月齢
12 鏡像錯覚
13 虚空間
14 メドゥーサと視線の行動
15 知覚的似像と心的似像
16 文学にあらわれた鏡
総括
訳者解説
索引
内容説明
著者は、鏡について、自己意識が芽生えている可能性のある乳児期にまでさかのぼって、数多くの実験を重ねた。さらに、鏡と他の知覚的似像(写真と影)、鏡を前にした子どもと動物(サルとイヌ)などのいろいろな比較を行って説明の補助に供した。本書の第1部では、こうした実験、つまり「〔実験者が条件を〕操作した観察」について語る。「事実の収集」の後、「まとめと考察」と題する第2部では、たんに全体の結果を提示するだけでなく、あらゆる既成の枠組みから自由になり、研究によって発見された事実に関し思索をめぐらしている。
目次
第1部 事実の収集(すべてはこうして始まった;ガラスと鏡の実験;手に持てる鏡;一連の実験の実施経過とその内容 ほか)
第2部 まとめと考察(子どもがついに自分の顔を知る月齢;鏡像錯覚;虚空間;メドゥーサと視線の行動 ほか)