Minerva21世紀ライブラリー<br> 学校の怪談―口承文芸の展開と諸相

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Minerva21世紀ライブラリー
学校の怪談―口承文芸の展開と諸相

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  • サイズ B6判/ページ数 403p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784623022526
  • NDC分類 388.1
  • Cコード C1339

出版社内容情報

【内容】
共同体の語りの場を母体として成長してきた口承文芸は転換期を迎えている。子どもたちの伝承世界にひろがる学校を舞台とした怪談話や現代の<はなし>から,その民俗学的背景と意義を考える。

【目次】
1 世間話
学校の怪談
一 よみがえる民族的感覚
二 トイレと怪異
三 特別教室と移動教室
四 学校周辺の異界的空間
五 うわさとしての怪談
六 子どもたちにとっての怪談・妖怪・異界
現代の<はなし>
一 予兆譚と事実
二 異人殺しの伝承譚の創造
三 <はなし>の変容と現代性
世間話の周辺
一 世間話の担い手
二 ツッパリと学級共同体
三 『現代民話考』を読んで
2 昔話
構造と形態
一 「猫と南瓜」の構造
二 「たにし長者」の形態論
三 「猿聟入」の地域的変化
四 笑話の主人公
フィールドから
一 衣川村採訪記録-岩手県胆沢郡衣川村
二 語り手との出遭い-高知県高岡郡檮原町
伝説の背景
一 伝説と年中行事-田村麻呂の悪竜退治をめぐって
二 伝説と俗信
三 地すべり伝説の背景
俗信の世界
一 禁忌と連想
二 踟蛛の俗信と説話
三 境界の呪具-箒
四 生活の中の俗信-新潟県古志郡山古志村

内容説明

共同体の語りの場を母体として成長してきた口承文芸は、今日転換期を迎えている。本書は、子どもたちの伝承世界にひろがる学校を舞台にした怪談話や現代の〈はなし〉を中心に、その民俗学的背景と意義を考える。

目次

1 世間話(学校の怪談;現代の〈はなし〉;世間話の周辺)
2 昔話(構造と形態;フィールドから;伝説の背景;俗信の世界)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

erie

4
学校の怪談の民俗学。筆者が教員らしく、松谷みよ子とも親交があったらしく、目の付け所や考察がなかなか面白い。しかし後半は一般的な語りや歴史へと話が発散してしまっていて残念。もっと掘り下げていけただろうし、他にも様々な不気味な噂話や遊びがあったように思う。今の学校ではもう、こういう文化は薄くなっているのかもしれないが、震災後にタクシーの怪談があらわれたのも記憶に残っている。スマホやウェブサイトなどにまつわる新たな「不思議」や「怪談」がもしかしたら生まれているのかもしれない。2019/10/01

mittsko

3
角川ソフィア文庫版(2002年刊)を積読しているのだが、図書館の棚で、この原著を見つけたので借り出して読んだ…(*´ω`*) やたらと分量が多いなと思ったら、本書全三部中の第一部のみが文庫化されたんですね(一篇追加されてる) ※ 90年代以降の(「学校の怪談」を含む)実話怪談ルネサンスの最初期ブーストを与えた一冊だと思う。当時、東京の公立中学教員だった著者が、子どもらから真摯に聴き取った怪談がずらりと並ぶ。その整理・分析の手際は堅実であざやかだ。この界隈の古典として常に参照されるべき一冊2023/08/18

misui

3
学校の怪談研究の端緒となった論集。といってもそれ自体は口承文芸の流れで発見されたものなので、どちらかというと伝承や俗信についての論に多くページが割かれている。全体的に構造に引きつけた論調で、ある出来事に対して人がどういった理路で解釈を行ない話を作ってきたのか、その心の有り様が問題とされる。学校の怪談を含む世間話のパートはわかりやすくまとまっていて(先に後続の論を読んだこともあるが)のちの展開を思わせる。カラス鳴きや虫の知らせといった予兆譚には信じたいものを信じる心性が率直に見て取れて興味深い。2010/07/12

しほりさん

1
学校の怪談がどさっと収録されていて、ゾッとしつつもお手軽に読めてしまう。怪談や噂は、その裏に必ず真意(戒めごとなど)が隠されているらしく…よくよく思い出してみると、確かにそう!今、小中学生の間ではどんな怪談が流行っているのかな…2012/10/07

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