出版社内容情報
カフカの最高傑作にして20世紀最大の問題作の一つとされる『変身』を、頭から終わりまで、著者が新訳しながらつぶさに読み解いていく。
ある朝目覚めたら、虫になっていた――という設定のせいで非現実的な不条理小説と思われがちだが、〈身体で読む〉達人と一緒に読めば、まるでドキュメンタリーのようにリアルな、胸に刺さる場面の連続! ままならない心と体、家族とケア、居場所と権力構造……『変身』は今を生きる私たちの日常の物語だ。
〈フランツ・カフカの『変身』は読むたびに印象が変わる。新しい発見がある。
もう何度となく読み返してきたが、それでも、あらためてじっくり、できるだけ時間をかけて、細部までこだわって、味わいつくすようにして読んでみたいと思っていた。
それを実行したのがこの本だ。〉(「はじめに」より)
【目次】
はじめに
1 なぜ「すごくゆっくり」なのか?
2 現実への補助線という衝撃
3 カフカの「見せない力」
4 虫になったのに遅刻を気にするのはおかしい?
5 カフカの語り口と笑い
6 ベッドから出られない
7 罪悪感がやってきてベッドから出る
8 身体で読む文学
9 ドアが開かれる
10 どうしても受け入れがたいこと
11 出たとたん、追い戻される
Intermission誰が道を切り開いたのか 1
日本で最初にカフカを評価したのは誰なのか?"
12 自分の変化に食卓で気づく
13 グレーゴルの食卓
14 食べないことと飲まないこと
15 お金の問題
16 窓の大切さ
17 ケアの熱狂――もっと世話するために、もっと不幸になってほしい
18 いちばんの味方がいちばんの敵に
19 林檎が背中にめりこむ
Intermission 誰が道を切り開いたのか 2
日本で最初にカフカを翻訳したのは誰なのか?
20 家族熱
21 家族につけられた傷が、家族を思って痛む
22 自分の部屋が物置になる
23 グレーゴルとベートーヴェン
24 わからないものを待っている
25 グレーゴル、見つかる!
26 燃えつきるケア
27 家族獣――グレーゴル、死す
28 「家族がひとつになる」ことの怖ろしさ
29 なぜこのラストが気に入らないのか?
注記
あとがき
主要参考・引用文献



