出版社内容情報
AI時代のサイバネティックス
「現代の意思決定の複雑さを理解するための必読書だ」
ブラッドフォード・デロング(UCバークレー教授)
「2024年で、もっとも役立つ本のひとつだ」
『エコノミスト』
「サイバネティックス、経済学、マネジメントに潜行し、なぜ失敗が、ヒトではなくシステム由来なのかを解明している」
ダイアン・コイル(ケンブリッジ大学教授)
なぜ市場、制度、政府は、誰も望まない結果をこんなに生み出してしまうのか? マネジメント・サイバネティックスのグル、スタッフォード・ビーアの科学を再評価し、今日の政治的、経済的危機の根源を探る。
「私たちは世の中の出来事を「陰謀」か「失敗」に分類しようとして、膨大な知的エネルギーを浪費している。だが、実際には、出来事の大半はもっと抽象的な何かに起因していると考えるべきだろう。…多くの決断は、個人の意思にもとづいた行為の結果というより、もっと大きなシステムの結果として理解したほうがよい。…
本書に本物の悪役がいるとすれば、それは「不透明で不安定な動態に陥りがちであるという、複雑なシステムが持つ残念な傾向」だろう」
「この先、私たちは「責任はシステムにある」と文字どおりの意味で言うことに慣れていく必要がある」(本文より)
【目次】
著者まえがき
第I部 危機の本質
序章
1 「何かがおかしい」
犯罪者なき犯罪
ポリクライシス(複合危機)と私
一度去って戻ってきた人たち
アカウンタビリティ・シンク
アカウンタビリティの基本法則
スキポール空港でリスをシュレッダーにかける
アカウンタビリティとそれに伴う不満
なぜ健康と安全が守られないのか
危機はいかにして起きるか
ディープステート
ヨーロッパの非公式な財政王
IMF暴動
早計な解決策
話はもっと複雑である
意思決定システムとして見たイングランドとウェールズのコモンロー
2 スタッフォード・ビーア
ブラックボックス
ホモ・エコノミクスとその仲間たち
「すでに散文で話していた」
サイバネティックス時代の幕開け
ほとんど止められない力、ほとんど動かない物体
目的
チリへの道
目的とパワー
価値の多様性
3 私たちのなかの異質な存在
部屋にいる三つ目のもの
さまざまなボックス
意思決定システムとアカウンタビリティ・シンク
CEOですら行なっていない
サイバネティックス的枠組みにおける陰謀と失敗
説明可能性の責務と問題
AIの倫理はビジネス倫理
ペーパークリップ最大化装置
「アルゴリズム」とシステム
システムはいかにして不調をきたすのか
休憩 コンピューティング・ポンドとウサギの穴
第II部 システムの病理学
4 人間ならざる知能の精神分析を行なう方法
自動照準器の震えと失調
あらゆるすばらしいもの
〈立方体の向きを変えるクラブ〉の悲しき終焉
哲学者と電話
脳の医者
イギリスの多様性クラブ
リスの生存維持装置
初心者のための多様性工学
問題を分ける
工学的失敗とシステムの崩壊
5 図を使わないサイバネティックス
生存可能システム
リソース取引の管理者
マネジメント、そして例外
生存可能なオーケストラ
「ここ・今」と「そこ・そのとき」を釣り合わせる
マネジメント情報の本質
再帰、埋め込み、アカウンタビリティ
赤い旗と赤いハンドル
世界金融危機のサイバネティックス的歴史
休憩 除脳ネコ
第III部 盲点
6 経済学はなぜこうなってしまったのか
経済学者たちのなかで
最適化の勝利
すべての価格
モデルで解決する
ホモ・エコノミクスはかつて私の友人だった
価値と不確実性
時間と不確実性
経済学の空白地帯
コンピューティング・ファブリックとしての市場
盲点
7 そんなに金持ちなら、なぜ賢くないのか



