出版社内容情報
昭和の戦争を擁護する思想は東京裁判で生まれた。この「スガモ思想」は現代の歴史修正主義の胎動とも言え、1950年代には4000万筆を集めた戦犯釈放署名運動に発展した。これを推進した復員官署法務調査部門(法調)は、戦犯靖国合祀でも中心的だったにもかかわらず、歴史記述にはほぼ現れない。本書はこの知られざる組織に迫り、スガモ思想が現代にも及ぼす影響を明らかにする。東京裁判開廷80年に放つ気鋭による快著。
【目次】
序章 帝国陸海軍軍人と岸信介らスガモ組の思想と行動
第I部 十五年戦争と戦犯裁判
――帝国陸海軍軍人の「二つの戦争」
第一章 十五年戦争と陸海軍法務・捕虜部門 一九三一~四五年
第二章 法調軍人の東京裁判対策
第三章 法調軍人と占領軍の暗闘
――BC級戦犯裁判対策と講和後を見すえて
第II部 戦犯釈放運動
――囚われの戦犯を解放する
第四章 愛の運動戦犯受刑者助命減刑内環嘆願署名運動
補論 戦犯釈放署名四〇〇〇万説は本当か
第五章 戦犯釈放運動とメディア
――メディアから読み取る戦犯に対する「世論」
第六章 戦犯釈放運動が外交政策に与えた影響
第III部 靖国神社への戦犯合祀
――亡くなった戦犯と国家の名誉を取り戻す
第七章 戦犯に関する援護立法の成立
第八章 法調軍人による靖国神社への戦犯合祀
――BC級戦犯合祀とA級戦犯の脱落
第九章 パル判決書研究とパル日本招請
第十章 A級戦犯合祀への道のり
第IV部 国境を越えるスガモ思想
――歴史問題の構造についての一考察
第十一章 歴史問題史におけるスガモ思想の位置
第十二章 一九八〇~九〇年代におけるスガモ思想の変容
終章 歴史問題の前夜
あとがき
註
図表・写真一覧
索引



