出版社内容情報
開戦は外交交渉決裂の結果と説明されるが、戦争が選択肢としてあるから交渉は決裂するのである。その根源にあったのは北、近衛、石原に共通する国家生存権の思想であり、それは生存権のために滅亡も辞さないという倒錯した思想だった。本書はかれらの思想がいかにして日本を大東亜戦争に向かわせたのかを、当時の史料を豊富に用いつつ臨場感ある記述で浮かび上がらせる。
【目次】
はじめに
第一章 北一輝の思想
第二章 近衛文麿の思想
第三章 幣原「協調外交」と田中「積極外交」
第四章 石原莞爾の思想と満州事変
第五章 支那事変と石原・近衛
第六章 支那事変と三度の「近衛声明」
第七章 日独防共協定・三国同盟・日米交渉――近衛と松岡のロジック
第八章 開戦への最終段階
むすびにかえて
あとがき
注
索引