将軍の都の客人―越後の寺娘・常野、江戸を訪う

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将軍の都の客人―越後の寺娘・常野、江戸を訪う

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  • サイズ 46判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622097501
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0021

出版社内容情報

「さてわたくし ふといど(江戸)かんだ(神田)みな(皆)川町へまへ(参)り なんぎ(難儀)いたし候(私は思いがけず江戸の神田皆川町へ参りましたが、とても大変な思いをしました)」
1839(天保10)年の秋、越後(現・新潟県)の実家の母のもとに送られた一通の書状。差出人の娘・常野(つねの)は、決意を胸に、ひそかに故郷を捨てて江戸へと旅立っていた。本書は、19世紀前半の日本に実在した女性の起伏に富んだ生涯を、アメリカの日本史研究者が解き明かす歴史書である。
1804(文化元)年、越後は石神(いしがみ)村の浄土真宗の寺・林泉寺(りんせんじ)に生まれた常野は、3度の離縁をへて36歳で江戸へ出奔。旗本・松平友三郎の屋敷や歌舞伎役者・5世岩井半四郎が所有する屋敷に奉公して自活する日々。同郷の幼馴染・博輔(ひろすけ)との破局と帰郷。南町奉行・遠山左衛門尉景元(名奉行「遠山の金さん」のモデル)に仕官がかなった博輔に請われ、再び江戸へ。一方、国内外の状況は揺れ動き、米提督ペリーの来航が目前に迫っていた。
常野が林泉寺の家族と取り交わした約130通におよぶ書状や同時代の多彩な史・資料をもとに、彼女の実像と江戸後期を生きた人々の息吹を蘇らせる。全米批評家協会賞受賞、中・韓・独・露など多言語に翻訳されている世界的話題作。

事実は小説よりも奇なり。予測のつかない常野の人生に、ページを捲めくる手が止まりません
――髙田郁(小説家。「みをつくし料理帖」「あきない世傳 金と銀」「志記」シリーズほか)

田舎を捨ててスリル満点の大都会の孤独へと飛びこむ姿、なんども過ちを重ねる常野の姿が、琴線に触れる読みやすい物語としてつむがれる……史料と文学的考古学が生んだ小さな奇跡
――リチャード・ロイド・パリー(『ザ・タイムズ』アジア編集長。『狂気の時代』『黒い迷宮』『津波の霊たち』)

19世紀の日本で、人並はずれた決心を抱いたある庶民の女性を、想像力を駆使して蘇らせた物語。常野の心の内と、彼女を打ちのめす社会をとらえ、その物語を圧倒的な力で歴史のなかに刻みつけている
――キャロル・グラック(コロンビア大学名誉教授。『戦争の記憶』)


【目次】

日本語版に寄せて
登場人物
地図(日本全図、頸城郡、江戸)

プロローグ
第一章 はるか遠い場所で
第二章 出羽と越後で
第三章 江戸へ
第四章 長屋からの眺め
第五章 冬の侍
第六章 都市の装い
第七章 家の揉めごと、国の内乱
第八章 町奉行所にて
第九章 常野去りしのち
エピローグ

謝辞
訳者あとがき(石垣賀子)
監訳者解説 ―常野の眼を透かして見える世界―(原直史)
参考文献/原注/索引

内容説明

「さてわたくし ふといど(江戸)かんだ(神田)みな(皆)川町へまへ(参)り なんぎ(難儀)いたし候(私は思いがけず江戸の神田皆川町へ参りましたが、とても大変な思いをしました)」1839(天保10)年の秋、越後(現・新潟県)の実家の母のもとに送られた一通の書状。差出人の娘・常野(つねの)は、決意を胸に、ひそかに故郷を捨てて江戸へと旅立っていた。本書は、19世紀前半の日本に実在した女性の起伏に富んだ生涯を、アメリカの日本史研究者が解き明かす歴史書である。1804(文化元)年、越後は石神(いしがみ)村の浄土真宗の寺・林泉寺(りんせんじ)に生まれた常野は、3度の離縁をへて36歳で江戸へ出奔。旗本・松平友三郎の屋敷や歌舞伎役者・5世岩井半四郎が所有する屋敷に奉公して自活する日々。同郷の幼馴染・博輔(ひろすけ)との破局と帰郷。南町奉行・遠山左衛門尉景元(名奉行「遠山の金さん」のモデル)に仕官がかなった博輔に請われ、再び江戸へ。一方、国内外の状況は揺れ動き、米提督ペリーの来航が目前に迫っていた。常野が林泉寺の家族と取り交わした約130通におよぶ書状や同時代の多彩な史・資料をもとに、彼女の実像と江戸後期を生きた人々の息吹を蘇らせる。全米批評家協会賞受賞、中・韓・独・露など多言語に翻訳されている世界的話題作。PEN/ジャクリーン・ボグラッド・ウェルド伝記賞受賞。

目次

第一章 はるか遠い場所で
第二章 出羽と越後で
第三章 江戸へ
第四章 長屋からの眺め
第五章 冬の侍
第六章 都市の装い
第七章 家の揉めごと、国の内乱
第八章 町奉行所にて
第九章 常野去りしのち

著者等紹介

スタンリー,エイミー[スタンリー,エイミー] [Stanley,Amy]
米ノースウエスタン大学歴史学部教授。ハーヴァード大学で2007年に博士号取得(東アジアの言語と文明)。関西大学、早稲田大学にも留学。専攻、近世・近代日本社会史、およびグローバル・ヒストリー、女性史・ジェンダー史。本書(Scribner、2020)は、全米批評家協会賞およびPEN/ジャクリーン・ボグラッド・ウェルド伝記賞を受賞し、ピュリッツァー賞(伝記部門)の最終候補に選ばれるなど高い評価を得る。これまでに国際交流基金、日米友好委員会、全米人文科学基金、ジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団からフェローシップを授与されている

原直史[ハラナオフミ]
新潟大学人文社会・教育科学系(人文学部)教授。新潟史学会会長も務める。1962年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻、日本近世史

石垣賀子[イシガキノリコ]
翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

翠埜もぐら

21
日本史の本と言うより、日本史をほぼ知らない海外の人のための江戸時代解説書。なので上は将軍様から市井の衣食住まで細かい細かい説明があってちょっと驚いたのですが、とても新鮮で色々再確認できたりして楽しかったです。なによりこの時代に子を生すことができず、離縁を繰り返して江戸に「出奔」した女性の心情を想像し、当時の女性の置かれた状況を冷静にでも暖かく描き出していて、今まで読んできた歴史書とは違う切り口も新鮮でした。そして一般人である常野の人生をこれだけ追えることができる文章が残されていることも。2026/05/28

すくすく

10
江戸後期のある女性が残した130通の書簡を軸にまとめられたマイクロヒストリー。一気読み。原書が英語であるため、邦訳にあたっては訳者に加え、日本の歴史民俗にあかるい監訳者が入るとことで、時代劇などわかったつもりでいる現代日本人にも江戸後期の市井の人々の暮らしが様々な切り口を通じ立体的に浮かび上がってくる。現代とは桁違いに生きづらいはずの江戸時代を我を通し続けた常野の生涯には、共感はせずとも応援したくなってしまう何かがあり、また江戸の街は今の東京の原点であり歴史は連続していると改めて感じる。買って良かった。2026/05/30

maimai

5
文化元(1804)年、越後高田に近い田舎村の寺の娘として生まれた常野(つねの)の生涯を、家族・親族・関係者の間でやり取りされた書状からあぶり出したもの。めっぽう面白い。原書はアメリカの歴史学者によって日本の江戸時代に関する知識のない英語圏の読者向けに書かれたものだが、そのことがごく一般的な私のような日本の読者が本書を面白く読める要因ともなっている。そもそも我々の知る「江戸時代」なるものが、時代劇や時代小説などによってパターン化されたイメージに過ぎないということを、実感として教えてくれるのだ。2026/06/09

かしこ

5
面白かった。外国の人が書いたので、日本の着物や化粧、歌舞伎などの文化が、全く知らない人の目にも浮かぶように細かく鮮やかに説明されている。主役は寺の娘の常野。このおしゃれな名前の娘は何度も結婚しては離婚して実家に迷惑をかけ、家出して江戸に行って、また結婚に失敗してと、家族も呆れ返るような女なんだけど、そんな何事も成し遂げられないような人生がリアル。水野忠邦の質素倹約政治やペリーなどの歴史の流れも書いてあってほんとよくできてる。2026/06/01

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