出版社内容情報
ファシズムはテクノロジーによって再作動される。大衆操作は古くて新しい歴史なのだ。ソーシャルメディアがフェイク・ニュースをまき散らすのはたやすいが、立証には重荷がのしかかる。それでも歴史認識は解毒剤になるだろう。欧米では右翼が台頭し、大衆の催眠術操作や世俗化した宗教の利用が再帰している。ITが世界を覆う不透明な転換期に新しい文献学を実践する歴史家の論考集。
内容説明
世俗権力は過去の宗教的シンボルと道具を利用してきた。そしてファシズムがテクノロジーを利用して再作動している。「大衆の操作」は古くて新しい問題なのだ。「恐怖」が思想の基本的概念であったホッブズに先駆し、「自発的隷従」を提示したラ・ボエシ。自然の中に殺戮の連鎖を視たヴォルテールや抑制されない暴力を思考したサドなどに拠り、ファシズムやナチズムの新しさに魅惑されつつ応答したバタイユたちの「聖なる社会学」。著者へのオンライン版インタビュー「ファシズムには未来がある」など。新しい文献学を模索する歴史家の最新論考集である。
目次
第1章 啓示の覆いを取り除く
第2章 ホッブズの目に見えない標的―ラ・ボエシ『自発的隷従』の受容について
第3章 テクスト、イメージ、複製―ヴァルター・ベンヤミンの肩の上に乗って
第4章 聖なる社会学―コレージュ・ド・ソシオロジーにかんする二、三の省察
第5章 フェイク・ニュース?
第6章 自由は脆い―一冊の(ほとんど)忘れられた本についての省察
付録 ファシズムには未来がある
著者等紹介
ギンズブルグ,カルロ[ギンズブルグ,カルロ] [Ginzburg,Carlo]
歴史家。1939年、イタリアのトリーノに生まれる。ピサ高等師範学校専修課程修了。ボローニャ大学・近世史講座教授、カリフォルニア大学ロスアンジェルス校教授を経てピサ高等師範学校教授
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年兵庫県尼崎市に生まれる。東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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