出版社内容情報
わたしたちはあらゆる種類の関心事を共有する親しい友人として、二人いっしょに、自分たちの人生の相似したところ(パラレル)と相反したところ(パラドックス)を探求していたのである――E・W・サイード
かたやエルサレム生まれカイロ育ち、ニューヨークに住むパレスチナ人エドワード・サイード。かたやユダヤ人としてブエノスアイレスに生まれ、イスラエル国籍、ロンドン、パリ、シカゴ、そしてベルリンを中心に活躍する指揮者・ピアニスト、ダニエル・バレンボイム。つねに境界をまたいで移動しつづけている二人が、音楽と文学と社会を語り尽くした6章だ。
パレスチナとイスラエルの若き音楽家をともに招き、ともに学んだワイマール・ワークショップの話から、グローバリズムと土地、アイデンティティの問題、オスロ合意、フルトヴェングラー、ベートーヴェン、ワーグナーなど、白熱のセッションが続く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
55
書き写した文言は3,000字を超えた。大半がバレンボイムの発言。音楽の歴史、楽曲の解釈、演奏心得などについて語る言葉は、哲学的でありながら実感がこもり迫力ある。音楽が“本来の場所にもどる道を見つけ出すという感覚”“演奏は生起し、終わる” ベートーヴェン第4はじまりの“虚無感”、後期の作品に見る“完全な孤独”、バイロイトとベルリン国立歌劇場でのワーグナー楽劇の響きの違い…。中東問題では自分たちを憎んだ人々を憎むことへの戒めの言葉も。1999年アラブイスラエルドイツの若者達の合同演奏を企画、自身参加している。2024/09/11
やいっち
48
感想は(書けたらだが)後日。いい本に出合った。バレンボイムを少しでも知ることが出来てよかった。2024/07/16
やいっち
7
音楽はもとより文学にも政治事情にも疎い吾輩だが、それなりに理解に努め楽しめた。20代から30代に懸けて友人宅などでクラシック音楽を(LP盤で!)たっぷり聴かせてもらったのだが、バレンボイムの指揮による曲を聴いた記憶はない。吾輩が気付かなかっただけなのか。 2024/07/16
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