出版社内容情報
重要なのは、ジャンヌ・ダルクを「脱神話化」すること、つまり彼女を依然として取り巻く勝手な推測や仮説から可能なかぎり解き放つことである――
英仏100年戦争(1337-1453)の時代、フランス王国とはどのような「国家」であったか、戦争の渦中で生まれた「国民感情」とはいかなるものであり、騎士の戦争から傭兵と庶民の戦争にいかに移行していったのか、そしてそのなかで登場したオルレアンという地方の農夫の少女、ジャンヌ・ダルクとは? 本書は、600年に及ぶ研究史のあり方をふまえ、以上の観点を中心に、ジャンヌ・ダルクを彼女の時代の最良の史料によってのみ語り、歴史家としてジャンヌ・ダルクとその時代に接近する試みである。おそらく今日までで最も信頼できる一書になるだろう。
聖人の声を聴いたオルレアンの少女は、どのようにしてシャルル七世にその預言を伝えるようになったのか、司令官となったジャンヌの活躍の詳細は、そして逮捕、監禁、処刑裁判と火刑、その後の復権裁判…。本や映画や演劇や漫画を通して誰もが知っているジャンヌ・ダルクの実像に迫る。
内容説明
重要なのは、ジャンヌ・ダルクを「脱神話化」すること、つまり彼女を依然として取り巻く勝手な推測や仮説から可能なかぎり解き放つことである―。英仏100年戦争(1337‐1453)の時代、フランス王国とはどのような「国家」であったか、戦争の渦中で生まれた「国民感情」とはいかなるものであり、騎士の戦争から傭兵と庶民の戦争にいかに移行していったのか、そしてそのなかで登場したオルレアン地方の農夫の少女、ジャンヌ・ダルクとは?本書は、600年に及ぶ研究史のあり方をふまえ、以上の観点を中心に、ジャンヌ・ダルクを彼女の時代の最良の史料によってのみ語り、歴史家としてジャンヌ・ダルクとその時代に接近する試みである。おそらく今日までで最も信頼に足る一書になるであろう。聖人の声を聴いたオルレアンの少女は、どのようにしてシャルル七世にその預言を伝えるようになったのか、司令官となったジャンヌの活躍の詳細は、そして逮捕、監禁、異端審問と火刑、その後の復権裁判…。本や映画や演劇や漫画を通して誰もが知っているジャンヌ・ダルクの実像に迫る。
目次
戦時における幼少期
ヴォークルールからシノン、ポワティエへ
オルレアンの解放
ジャンヌ、司令官になる
ロワールでの作戦行動
ランスでの国王戴冠
下り坂―ランスからパリへ
パリ‐コンピエーニュ―敗北と捕縛
囚われたジャンヌ
ルーアンの異端審問裁判
復権裁判 一四五〇‐一四五六年
記憶の中で生き続けること
著者等紹介
クルマイヒ,ゲルト[クルマイヒ,ゲルト] [Krumeich,Gerd]
1945年生まれ、デュッセルドルフ大学名誉教授
加藤玄[カトウマコト]
1972年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。博士(文学)。日本女子大学文学部教授
小林繁子[コバヤシシゲコ]
1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。新潟大学教育学部准教授
安酸香織[ヤスカタカオリ]
1990年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。北海道大学大学院文学研究院准教授
西山暁義[ニシヤマアキヨシ]
1969年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。博士(文学)。共立女子大学国際学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ぐうぐう