出版社内容情報
英仏100年戦争(1337-1453)の時代、フランス王国とはどのような「国家」であったか、戦争の渦中で生まれた「国民感情」とはいかなるものであり、騎士の戦争から傭兵と庶民の戦争にいかに移行していったのか、そしてそのなかで登場したオルレアンという地方の農夫の少女、ジャンヌ・ダルクとは? 600年に及ぶ研究史のあり方をふまえ、以上の観点を中心に、歴史家としてジャンヌ・ダルクとその時代に接近する試みであり、おそらく今日までで最も信頼できる一書。「重要なのは、ジャンヌ・ダルクを「脱神話化」すること、つまり彼女を依然として取り巻く勝手な推測や仮説から可能な限り解き放つことである」。本や映画や芝居や漫画で誰もが知っているジャンヌ・ダルクの実像に迫る。