出版社内容情報
約3億年前に爬虫類の祖先と分かれたグループが、幾多の絶滅事件を乗り越えて私たちに至るまでの、途方もない歴史を描く書。
今、地球には約6000種の哺乳類が生息している。この動物たちは、哺乳類というグループが織りなしてきた豊かな系統樹のごくごく一部にすぎない。過去には、車のような大きさのアルマジロ、犬のような小ささのゾウ、マメジカのような華奢な四肢を持つクジラの祖先など、奇想天外な動物たちがいたことが化石記録から明らかになっている。
哺乳類の系統樹の枝は、小惑星の衝突や火山の噴火、気候の変動などに起因する絶滅事件により、大半が刈り込まれてしまった。しかし絶滅哺乳類が獲得した進化の遺産は、私たちの身体に確かに引き継がれている。たとえば、耳や顎の骨の形状、妊娠や乳児の成長の仕方、咀嚼を可能にした臼歯の形状や乳歯・永久歯のしくみは、私たちの祖先が3億年の間に一つ一つ獲得したものだ。
古生物学者たちは、世界中を探索し、化石記録やDNA解析を元に、絶滅の危機を辛くも耐え抜きついに繁栄を勝ちえた哺乳類の歩みを明らかにしてきた。本書はその発見と解明の興奮を追体験する書でもある。
図版多数収録。
内容説明
進化の遺産をのこして消えた、奇想天外な動物たち。
目次
序章 我らが哺乳類一族
第1章 哺乳類の祖先
第2章 哺乳類が出来上がるまで
第3章 哺乳類と恐竜
第4章 哺乳類の革命
第5章 恐竜は滅び、哺乳類は生き残る
第6章 哺乳類、現代化する
第7章 極端な哺乳類たち
第8章 哺乳類と気候変動
第9章 氷河時代の哺乳類
第10章 ヒトという哺乳類
終章 未来の哺乳類
著者等紹介
ブルサッテ,スティーブ[ブルサッテ,スティーブ] [Brusatte,Steve]
1984年アメリカ生まれ。エジンバラ大学で教鞭を執る。博士号をコロンビア大学で取得後、2013年より現職。専門は恐竜などの古脊椎動物の解剖学・系統学・進化。世界各国でフィールドワークを行い、これまでに15種以上を新種として記載している
黒川耕大[クロカワコウタ]
翻訳家。金沢大学理学部地球学科卒業、同大学自然科学研究科生命・地球学専攻修了。古生物学・地質学を学ぶ。ナショナルジオグラフィックチャンネルなどの映像翻訳を手掛ける
土屋健[ツチヤケン]
2003年、金沢大学大学院自然科学研究科修士課程修了。科学雑誌『Newton』の編集記者、部長代理を経て、現在、オフィスジオパレオント代表、サイエンスライター。日本古生物学会会員、日本地質学会会員、日本文藝家協会会員。専門は地質学、古生物学。2019年、日本古生物学会貢献賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuki2018
勝浩1958
天茶
牙魔
ゆずこまめ