出版社内容情報
「過去について熟慮することが、今後の歳月の指針となり、新しい世代が何十年も前の過ちを修復して、人間がほんとうに必要とする物事と栄華に則り、未来におぞましい光景がくりひろげられるのを抑制することを、私は心の底から願っている」(序文より)
史上最大の大戦下、英国を率いた元首相がみずから語る全記録。ノーベル文学賞を著者にもたらした6巻の原著(1948-54年)を全面新訳でおくる。第1巻は1919年の第一次世界大戦の講和会議から説き起こし、戦間期の20年をへて新たな大戦が勃発、1940年5月10日に65歳で首相となるまでを収める。自身のほか主要人物による演説と書簡、各種地図や表を配し、英国王ジョージ6世からリッベントロップまで、じかに接した人びとの素顔も点描される。序説は軍事史家ジョン・キーガン。
(組閣の大命を受けた夜に)「ようやく私は、すべての局面で指示を下す権限を得た。避けがたい宿命とともに歩んでいるような心地だった。私のこれまでの半生すべてが、この秋(とき)、この試練のための備えであったかのように思えた」(第38章より)
目次
第1編 戦争から戦争へ 一九一九‐一九三九年(戦勝国のたび重なる愚行 一九一九‐一九二九年;平和の絶頂期 一九二二‐一九三一年;隠れ潜む数々の危険;アドルフ・ヒトラー;蝗に食い荒らされた年月 一九三一‐一九三五年 ほか)
第2編 不分明な戦争 一九三九年九月三日‐一九四〇年五月一〇日(戦争;海軍本部の責務;ポーランド滅亡;戦時内閣の問題点;フランスの陣頭 ほか)
補遺(各種資料;海軍卿覚書)
著者等紹介
チャーチル,ウィンストン[チャーチル,ウィンストン] [Churchill,Winston]
1874‐1965。イギリスの政治家、著述家。1874年11月30日、オックスフォード郊外のブレナム宮で、英保守党の政治家ランドルフ・チャーチルと米国人女性ジャネットの長男として生まれる。1894年にサンドハースト王立陸軍士官学校(騎兵科)卒業後、軽騎兵第4連隊に任官。インド、エジプト、スーダンへの出征、ボーア戦争の従軍記者を経て、1900年に25歳で保守党より庶民院議員に当選。1904年に自由党に移籍。1911年から第一次世界大戦中の15年まで海軍卿(海軍大臣)を務める。1965年1月24日に90歳で歿
伏見威蕃[フシミイワン]
英米文学翻訳家。1951年生まれ、早稲田大学商学部卒業。ノンフィクションから小説まで幅広い分野を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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