出版社内容情報
〈本書が対象とするのは、見者としてのニジンスキーではなく、ダンサーかつコレオグラファー(振付家)としてのニジンスキーである。
20世紀にはヌレエフ、バリシニコフ、熊川哲也といったスーパースターたちが、バレリーナたちに劣らず、いやバレリーナたちよりも観客を魅了してきた。そうした男性スーパースターたちの系譜の先頭に位置しているのがニジンスキーである。ニジンスキーから男性ダンサーの時代が始まったのである。
その類い稀な跳躍力によって一世を風靡したにもかかわらず、最初の振付作品には小さな跳躍が一つあるだけだ。それだけでなく、その作品『牧神の午後』はバレエの二大原理、すなわち開放性と上昇志向性を否定した。そのニジンスキーの勇気ある一歩から、現代バレエが生まれたのである。〉
さまざまな創作の源泉ともなっている伝説の舞踊家ニジンスキー。その生涯を、豊富なバレエ鑑賞経験に基づき、貴重な資料と写真を駆使して再構成した、バレエ史研究の第一人者による待望のライフワーク。
内容説明
百年前、ダンスに革命を起こしながら闇の中へと沈んだ、神話の人ニジンスキー。その数奇な生涯と比類なき芸術を、貴重な資料と写真で徹底して解明する。バレエ研究の第一人者によるライフワーク。
目次
第1章 生い立ち
第2章 帝室バレエ学校
第3章 マリインスキー劇場
第4章 パリへ、世界へ
第5章 振付家ニジンスキー
第6章 転落
第7章 闇の中へ
著者等紹介
鈴木晶[スズキショウ]
1952年生まれ。東京大学文学部ロシア語ロシア文学科卒業。法政大学名誉教授。専門は精神分析思想史と舞踊史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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