出版社内容情報
アメリカ在住の著者が2005年に英語で発表した本書は、国内外で高い評価を得、2006年刊の日本語版(中央公論新社)は読売・吉野作造賞、司馬遼太郎賞を受賞した。本書は現在までの研究成果を取り入れた新版である。太平洋戦争終結に関する米ソの確執、日本の降伏決定における原爆とソ連参戦の役割、ソ連の千島・北海道作戦と米ソの取引など、日米露の膨大な史料を読み込み、終戦時の真相に迫る。フランス語版、韓国版、ロシア語版も刊行。
内容説明
太平洋戦争終結に関する米ソの確執、日本の降伏決定における原爆とソ連参戦の役割など、戦後日本を決定づけた1945年敗戦前後の三国間の諸相を鮮やかに描く。
目次
序章 終結への競争
第1章 日露米三国関係と太平洋戦争
第2章 スターリン、トルーマン、天皇の新しい課題
第3章 戦争と平和の決定
第4章 ポツダム会談―太平洋戦争の曲がり角
第5章 原爆とソ連の参戦
第6章 日本の無条件降伏受諾
第7章 「八月の嵐」―日ソ戦争とアメリカ
結論 とられなかった道
補章 アメリカと広島の教訓―過去と現在
著者等紹介
長谷川毅[ハセガワツヨシ]
1941年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。ワシントン大学で博士号取得。1977年アメリカ市民権取得。北海道大学スラブ研究センター教授、カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部教授などを歴任。ロシア史、日露関係を専門とし、冷戦史研究も手がけている。日本語になった著書は本書(初版は中央公論新社2006、その後中公文庫・上下巻、2011)のほか『ロシア革命下ペトログラードの市民生活』(中公新書1989)、『北方領土問題と日露関係』(筑摩書房2000、1998年刊の原書は大平正芳記念賞)がある。本書の原書Racing the Enemy:Stalin、Truman、and the Surrender of Japan、Harvard University Press、2005は Robert Ferrell Award、2006年刊行の日本語版初版は読売・吉野作造賞、司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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