中井久夫 人と仕事

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中井久夫 人と仕事

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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622096030
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0011

出版社内容情報

― 患者にはよく「実験精神」について語った。たとえば、「三日間家に戻ってみよう。三日間なら取り返しのつかないことにはならないだろう?」と提案する。そして、「途中でこれはいかんと思ったらさっさと帰っておいでなさい。まだ少し早いということがわかったから実験は成功さ」「実験に失敗なし」などと患者に告げた。絵や箱庭は患者のことばの添え木となった。
― 「患者とは、あるいは患者も含めて不幸な人とは、考え、考え、考え、考えている者」であり、認知症の人も統合失調症の人もがん患者も、「考えに考えをつづけています」。
― 誰もが病気になりうる存在であって、自分たちにも統合失調症の人たちが示す症状が一過性でも起きることはある。だから治療にあたっては症状よりも患者の健康な部分に光を当て、そこを広げていけばいい。慌てずに患者を見守っていなさい──。この疾病観はどれだけ医療者の意識を転換させ、患者やその家族を勇気づけただろうか。

われわれの世界に数々の知恵と言葉とヒントを遺し、2022年にこの世を去っていった精神科医・中井久夫。著者は『セラピスト』(新潮社、初版2014)以後も中井の聞き書きをつづけ、その生涯と仕事を追いかけてきた。
『中井久夫集』(全11巻)の「解説」を大幅に改稿して本書は成った。1960年代前半、精神科医誕生の前後からその死までを軸に、統合失調症やトラウマ研究はじめ医療とケア、膨大な執筆や翻訳、人との付き合いなどをつぶさに記す。詳細な年表付き。

内容説明

われわれの世界に数々の知恵と言葉とヒントを遺し、2022年にこの世を去っていった精神科医・中井久夫。著者は『セラピスト』(新潮社、初版2014)以後も中井の聞き書きをつづけ、その生涯と仕事を追いかけてきた。『中井久夫集』(全11巻)の「解説」を大幅に改稿して本書は成った。1960年代前半、精神科医誕生の前後からその死までを軸に、統合失調症やトラウマ研究をはじめ医療とケア、膨大な執筆や翻訳、人との付き合いなどをつぶさに記す。詳細な年表付き。

目次

第1章 二つの筆名―精神科医誕生
第2章 橋渡しことばとアンテナ問答―臨床作法
第3章 詩と真実
第4章 考える患者
第5章 災害と心のケア
第6章 いじめの政治学
第7章 災害とトラウマ
第8章 有機の人
第9章 地水火風になって
第10章 認知症と長いたそがれ
第11章 グッド・ドクター
ヒュブリスの罪と十字架―追悼・中井久夫

著者等紹介

最相葉月[サイショウハズキ]
1963年、東京生まれの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)『星新一』(大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞、日本SF大賞、日本推理作家協会賞ほか)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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trazom

115
没後一年。統合失調症、PTSD、犯罪・災害被害者支援など、現代社会が必要とする精神医学を牽引してきた中井久夫先生の業績が辿られている。自らがいじめられっ子であり、また、東大伝研を破門されて精神科に転向せざるを得なかった若き日の挫折が、先生の「心のうぶ毛」「柔らかに治す」「排除からケアへ」などの温かい言葉に繋がっている。精神科医と文学者の二つを見事に全うした中井先生の生涯を、最相さんは、神谷美恵子さんに重ねて、Sacrificium intellectus(知性を犠牲として神に捧げること)と呼ぶ。2023/09/21

どんぐり

84
みすず書房の『中井久夫集』全11巻の解説に1章分を加えて編集した精神科医・中井久夫の仕事をたどる小伝。私人としての部分はあまり描かれていない。たとえば、成育歴や、妻子が登場しない。幼少期にいじめにあったとはあるが、詳しくはわからない。ウイルス研究から転じて精神科医になり、阪神淡路大震災後のPTSD、トラウマ、兵庫県立こころのケアセンター初代センター長就任、日常診療などから発した多くの著作をいくつも著した。その足跡をたどるだけで、ノンフィクションの醍醐味がないのが残念。2022年8月8日逝去、享年88歳。2024/03/05

ネギっ子gen

66
【患者とは、患者も含めて不幸な人とは、考え、考え、考え、考えている者】精神科医としての誕生から死まで、その生涯と仕事を追った書。詳細な年表付き。カバーは、先生が神戸大学病院の新しい精神科病棟「清明寮」の設計に参与した時に描いたスケッチの1枚。先生の人柄を彷彿させる、優しい色使い。如何にも“みすずの本”という装幀で、こういう味わいを楽しめるのが、紙本の強みかな。82歳になって「驕りがあるから」と、カトリック教会で受洗。「なぜカトリック?」という問いには、「宗教のほうがぼくに声をかけてほしかったのかも」と。⇒2024/02/29

ぐうぐう

42
精神科医の中井久夫が文学者としての顔も持つことは、中井の功績を振り返るとき、とても重要な意味を持つ。「医学では通常、ある時点でくわしく検査して、その結果にもとづいて治療を決める横断的な方法がとられる。だが、中井は、縦に流れを見る通時的な観察に重きを置いた」と最相葉月が書くように、そのような視点を可能にしたのは、中井の想像力によるものだろう。考えると哲学者になり、想像すると文学者になるのだが、中井は考えつつ想像することで、患者に寄り添うことができたのだ。(つづく)2023/12/13

くさてる

25
「セラピスト」を読んでいたので、同じような方法論で書かれた中井久夫の伝記かなと思い込んでいた。なので、中井久夫という人物について前知識がない人が読んでもちょっと首をかしげるのではという内容に、戸惑ってしまったのだけど、元の文章は全集の解説文だったと知って納得しました。全集を読むような人にとっては、中井久夫の業績と人となり、人生が知れる良い本だと思います。2023/12/03

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