招かれた天敵―生物多様性が生んだ夢と罠

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招かれた天敵―生物多様性が生んだ夢と罠

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  • サイズ 46判/ページ数 417p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622095965
  • NDC分類 468
  • Cコード C0045

出版社内容情報

『歌うカタツムリ』(毎日出版文化賞)などの著作で筆力に定評ある進化生物学者が、強力な「天敵」としての外来生物の研究史を通して、計り知れない複雑さをはらむ「自然」と、そこに介入せずには済まない人間と科学の業を描く。
外来の天敵種は有害生物を制圧する救世主となりうる一方で、ときに最強の侵入者にもなりうる。それでも、生物多様性が秘める可能性に魅了された多くの生物研究者たちが、自ら「夢の」天敵種と信じる外来生物を招いてきた。本書が語るのは、そうした天敵導入をめぐる知的冒険、成功、そして、壊滅的な失敗の歴史だ。
またその歴史は、産業革命の時代からグローバリゼーションの時代まで、時々の社会が奉じてきた自然観の驚くべき変転を映しだす鏡でもある。著者は、長く信じられてきた「自然のバランス」の実像や、生態系メカニズムの今日的な理解へと、読者を慎重に導いていく。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に敬意を払いつつ、その自然観をアップデートする書でもある。
終盤では、著者自身が小笠原の父島で経験した、ある天敵との死闘が語られる。生物多様性の魅惑と生態学の醍醐味が詰まった、渾身の書き下ろし。

内容説明

『歌うカタツムリ』(毎日出版文化賞)などの著作で筆力に定評ある進化生物学者が、強力な「天敵」としての外来生物の研究史を通して、計り知れない複雑さをはらむ「自然」と、そこに介入せずには済まない人間と科学の業を描く。外来の天敵種は有害生物を制圧する救世主となりうる一方で、ときに最強の侵入者にもなりうる。それでも、生物多様性が秘める可能性に魅了された多くの生物研究者たちが、自ら「夢の」天敵種と信じる外来生物を招いてきた。本書が語るのは、そうした天敵導入をめぐる知的冒険、成功、そして、懐滅的な失敗の歴史だ。またその歴史は、産業革命の時代からグローバリゼーションの時代まで、時々の社会が奉じてきた自然観の驚くべき変転を映しだす鏡でもある。著者は、長く信じられてきた「自然のバランス」の実像や、生態系メカニズムの今日的な理解へと、読者を慎重に導いていく。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』に敬意を払いつつ、その自然観をアップデートする書でもある。終盤では、著者自身が小笠原の父島で経験した、ある「天敵」との死闘が語られる。生物多様性の魅惑と生態学の醍醐味が詰まった、渾身の書き下ろし。

目次

救世主と悪魔
バックランド氏の夢
ワイルド・ガーデン
夢よふたたび
棘のある果実
サトウキビ畑で捕まえて
ワシントンの桜
自然のバランス
意図せざる結果
薔薇色の天敵
見えない天敵

著者等紹介

千葉聡[チバサトシ]
東北大学東北アジア研究センター教授、東北大学大学院生命科学研究科教授(兼任)。1960年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。静岡大学助手、東北大学准教授などを経て現職。専門は進化生物学と生態学。著書『歌うカタツムリ―進化とらせんの物語』(岩波科学ライブラリー、2017)で第71回毎日出版文化賞・自然科学部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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FOTD

13
『歌うカタツムリ』の著者による、人と自然との関係の歴史。ここには、外来種から固有の在来種をどのように守ってきたが記されている。薬品を使用する「化学的防除」と外来種の天敵を導入して駆除するという「生物的防除」。レイチェル・カーソン『沈黙の春』で「化学的防除」では生物が姿を消してしまうことがわかり「生物的防除」が良い方法と思われていたが必ずしも成功するものではないという。著者は小笠原諸島の父島で、外来種のウズムシにより危機的状況にある在来カタツムリの保護に関わっている。私たちにできることはないだろうか。2024/02/19

belier

4
「招かれた天敵」とは有害な外来生物退治に導入された生物のこと。化学物質ではない生物防除であれば問題ないかといえばとんでもない。天敵が思わぬ害を及ぼしてしまうこともある。何がよくて何が悪いか、生物の世界も一筋縄ではいかない。研究者たちの苦闘の歴史が語られている。生物のことに限らず、社会のあらゆる活動の教訓となるようなストーリーが多く、戦記物で意思決定を学ぶような読み方ができると思った。とはいえ苦い教訓だけでなく、ウチワサボテンなどのホラーのような展開や、来日した研究者の心温まる話もあり、純粋に楽しく読めた。2023/10/25

たかぴ

4
人間の手による意図せざる、或いは人為的な自然環境の変化。それは外から生物を持ち込んでしまうというありふれた事から始まり、取り返しのつかない程、自然環境にダメージを与えてしまう。その対策をする事で更なる悪循環も生まれる事もあるし、後から見ると只の僥倖で回復する事も。 多様性を持った対処法を持っていないと、悪化した時に引き返せない。2023/06/17

HH2020

3
〇 いやー、この分野における著者の博識には感服した。太古の昔から行われてきた害虫防除の歴史が完璧に網羅されている。巻末の夥しい参考文献がそれを証す。が、著者が言いたかったのは最終章であり、小笠原の自然をいかに守るかという読者への問題提起である。専門家でもない私にはわからないが、自然は奥深く複雑極まりない、ということはよぉーく理解しているつもりだ。ところで、かのレイチェル・カーソンの功績を評価しつつも「自然界のバランス」など存在しないと断言するくだりにはちょっと同意できないなぁ。よってやや辛口の評価とした。2023/08/03

Sosseki

3
害虫は退治したい、農薬は効かない/避けたい、ならば天敵を持ち込んだ例が紹介されている。意図通りに「成功」した例が限りなく少なく、効果なし、効果はあったが、増えすぎた、別の動植物に害があり、結局、除去しなければならなかった、除去ができず、環境が変わってしまった…。自然が複雑に絡み合い、人間の知識不足や短慮で、一つを変えると想定外の取返しのつかないことを引き起こすことが分かる。様々のエピソードが盛り込まれ、感心するが、盛り込まれ過ぎか、一番印象に残ったのは、ルイ14世の心臓が食べられていたことだ! 2023/04/23

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