出版社内容情報
〈西洋が主導権を主張しえない前近代において、それぞれの地域ないし文明は個々別々に存在していたのか、世界の一体化の端緒は西欧の拡大にあるのか。[…]依然として我々を強く規定している西洋中心主義的な世界史の見方に対し、中央ユーラシア史は大いに見直しを迫る。その象徴がモンゴル帝国とその時代である。モンゴル時代は、ユーラシアが一つの世界像を結んだ時代であった〉(序章より)
13世紀、チンギス家の下にユーラシア大陸を席捲したモンゴル帝国(1206-1368年)。現在の中国から中央アジア、ロシア、イランにまで拡大し、各地の民族・言語・宗教を包み込んだ史上最大の陸上帝国の実像とは、いかなるものだったのか?
ペルシア語史書『集史』とマルコ・ポーロ『世界の記』の「中国」をめぐる記述の比較から、イランと中国の天文学者による「天文対話」、黒死病伝播の鍵を握る古気候データに至る史料/資料/試料を横断し、統一期から4ウルス(=くに)分裂をへて終焉を迎えるまでを、〈移動〉と〈環境〉を軸に読み解く。「複眼の思考」で追求するグローバル・ヒストリーの新たな地平。
【目次】
序章 世界史の交差点
第1章 グローバル・ヒストリーとモンゴル帝国
第2章 帝国を語る史料――ペルシア語とモンゴル帝国
第一部 歴史篇
第3章 モンゴル帝国以前の中央ユーラシア史
第4章 チンギス・ハンとその後継者たち
第5章 中国史におけるモンゴル時代
第6章 イラン史におけるモンゴル時代
第7章 ロシア史におけるモンゴル時代
第8章 中央アジア史におけるモンゴル時代
第二部 史料篇
第9章 西方からの眼
第10章 改宗――フレグ・ウルスとジョチ・ウルスの場合
第11章 天文学――もうひとつの「天文対話」
第12章 ラシード・アッ?ディーンとマルコ・ポーロ――彼らが見た中国
第三部 ユーラシア篇
第13章 パクス・モンゴリカ――〈換算〉する帝国
第14章 ユーラシア・パンデミック
終章 モンゴル時代の終焉――〈奇妙な並行〉
あとがき
図版出典一覧
注
索引(人名/地名/事項)
内容説明
13世紀、チンギス家の下にユーラシア大陸を席捲したモンゴル帝国(1206‐1368年)。現在の中国から中央アジア、ロシア、イランにまで拡大し、各地の民族・言語・宗教を包み込んだ史上最大の陸上帝国の実像とは、いかなるものだったのか?ペルシア語史書『集史』とマルコ・ポーロ『世界の記』の「中国」をめぐる記述の比較から、イランと中国の天文学者による「天文対話」、黒死病伝播の鍵を握る古気候データに至る史料/資料/試料を横断し、統一期から4ウルス(=くに)分裂をへて終焉を迎えるまでを、〈移動〉と〈環境〉を軸に読み解く。「複眼の思考」で追求するグローバル・ヒストリーの新たな地平。
目次
序章 世界史の交差点
第一章 グローバル・ヒストリーとモンゴル帝国
第二章 帝国を語る史料―ペルシア語とモンゴル帝国
第一部 歴史篇(モンゴル帝国以前の中央ユーラシア史;チンギス・ハンとその後継者たち;中国史におけるモンゴル時代;イラン史におけるモンゴル時代;ロシア史におけるモンゴル時代;中央アジア史におけるモンゴル時代)
第二部 史料篇(西方からの眼;改宗―フレグ・ウルスとジョチ・ウルスの場合;天文学―もうひとつの「天文対話」;ラシード・アッ=ディーンとマルコ・ポーロ―彼らから見た中国)
第三部 ユーラシア篇(パクス・モンゴリカ―〈換算〉する帝国;ユーラシア・パンデミック)
終章 モンゴル時代の終焉―〈奇妙な並行〉
著者等紹介
諌早庸一[イサハヤヨウイチ]
北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター特任准教授。文化交流や環境史の観点から、モンゴル帝国をアフロ・ユーラシア規模で捉えることを志向している。2011年東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学、2015年博士(学術)。博士課程在学中にテヘラン大学科学史研究所に留学し、博士号取得後はヘブライ大学にて欧州研究会議のプロジェクト「モンゴル帝国期ユーラシアにおける移動・帝国・文化接触」のフェローとなる。現在はActa Slavica Iaponicaの編集長およびAnnales.Histoire,Sciences Socialesの海外担当を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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