出版社内容情報
「「美学」上、伝統的にもっとも重要だとみなされている問題、すなわち、リズムの「喜び」はなにに基づくか、と一般的に問われている問題にたいして答えるのに、リズムの本質についての解明がすんだあとでは、わずかな言葉で足りるであろう。……あらゆる自然造形物ならびにあらゆる芸術作品の直観的価値はそのリズム価の内容と一致し、リズムにおいて万事片がつく。」
星辰の運行や四季の変遷のリズム、波の運動や植物の生長のリズム、動物の身体運動のリズム、生理のリズム、生活のリズム、音楽のリズム、色彩・紋様のリズム、線のリズム、詩のリズム…… その「リズム」とは、何であるのか? それは周期的な反復運動(現象)であるが、「拍子」(タクト)とはどう違うのか?
本書(1933年に単行本としての初版刊行)において、ドイツの思想家クラーゲスは、三つの問題点――「現象」の意味、リズムと拍子の関係(その対立と結合)、リズムの空間・時間性――を骨組みとして、「生命」と「精神」についての独創的な思索を展開する。
内容説明
星辰の運行や四季の変遷のリズム、波の運動や植物の生長のリズム、動物の身体運動のリズム、生理のリズム、生活のリズム、音楽のリズム、色彩・紋様のリズム、線のリズム、詩のリズム…その「リズム」とは、何であるのか?それは周期的な反復運動(現象)であるが、「拍子」(タクト)とはどう違うのか?本書(1933年に単行本としての初版刊行)において、ドイツの思想家クラーゲスは、三つの問題点―「現象」の意味、リズムと拍子の関係(その対立と結合)、リズムの空間・時間性―を骨組みとして、「生命」と「精神」についての独創的な思索を展開する。
目次
第1章 現象研究の意味について
第2章 拍子の仮現性
第3章 分節的持続性としてのリズム
第4章 意識と体験
第5章 リズムの打拍可能性について
第6章 反復と更新
第7章 リズムの空間・時間性
第8章 対極的持続性としてのリズム
第9章 拍子の生命内実について
第10章 展望
著者等紹介
クラーゲス,ルートヴィヒ[クラーゲス,ルートヴィヒ] [Klages,Ludwig]
1872‐1956。ドイツのハノーファーに生れる。初めライプツィヒ大学に、後にミュンヘン大学に学ぶ。ニーチェの影響を受け、その思想を伝えて心(魂)と精神との対立関係を説くところから独自の性格理論を展開する。1897年ミュンヘンに「ドイツ筆跡学会」を設立、「筆跡学雑誌」の編集執筆にあたる。1905年には「表現学ゼミナール」を開設、第一次世界大学勃発まで隆盛を極めた。22年と23年に彼の生哲学の中核をふくむ『宇宙生成的エロスについて』と『リズムの本質について』を発表し、29年には主著『魂の対抗者としての精神』が刊行された。終始民間学者として活躍した
杉浦實[スギウラミノル]
1932年大阪府に生れる。1962年大阪市立大学大学院修士課程修了。専攻、ドイツ文学。九州大学名誉教授。2018年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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