相互扶助の経済―無尽講・報徳の民衆思想史 (新装版)

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相互扶助の経済―無尽講・報徳の民衆思想史 (新装版)

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  • サイズ 46判/ページ数 382p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622095347
  • NDC分類 338.76
  • Cコード C1010

出版社内容情報

慢性的な飢饉に苦しんでいた徳川時代の民衆は、緊急時の出費に備え、村内で助け合うために無尽講、頼母子講、もやいなどの「講」を発展させた。当時の民衆の識字率は高く、商いや貯蓄に関して議論し、冊子を作り、倫理は社会的実践に不可欠であるという明確なメッセージも発信したのである。その思想の根底には、伊藤仁斎、安藤昌益、貝原益軒、三浦梅園などの思想を汲む確固たる自然観があった。
徳川末期になると、二宮尊徳のはじめた報徳運動が、村の境界を越えて講を結びつけ、相互扶助的な契約をダイナミックに広げた。その後、講の手法は無尽会社を経て相互銀行に引き継がれていく。
著者は、大阪にあった徳川時代の商人学問所、懐徳堂を調べていたとき、町人知識人の思想が学問所の壁を越えて広がっていることに気づいたという。元来、公的な政治秩序の外側で形成されたこれらの営みは、明治維新後は、国の法体系にどう吸収されていったのだろうか。少なくとも、新しい翻訳語「経済」からは「民を救済する」という意味が脱落するなど、民衆の歴史は劣性遺伝子になっていく。この近代化の社会史が本書では追跡される。
明治初期の混乱や太平洋戦争後の激動を庶民が生きのびたのは、講の精神が脈々と受け継がれたからだった。著者は地方の相互銀行の書庫まで入念に調べ、この歴史がはらむ驚くべき現代性に光を当てる。
卓越した歴史家の観察眼と想像力の結晶であり、日本思想史学の里程標であろう。

内容説明

近世の民衆の知恵、緊急出費に備えた頼母子講や報徳。その現代性に卓越した歴史家の想像力と分析が迫る。

目次

第1章 徳の諸相
第2章 常識としての知識
第3章 組織原理としての講
第4章 倫理の実践としての労働
第5章 報徳と国家の近代化
第6章 無尽会社
終章 断片的な言説

著者等紹介

ナジタ,テツオ[ナジタ,テツオ] [Najita,Tetsuo]
1936‐2021。ハワイ生まれ。1965年、ハーヴァード大学で博士号取得。カールトン・カレッジ、ウィスコンシン州立大学を経て、1969年以降シカゴ大学で教鞭をとる。シカゴ大学名誉教授、ロバート・S・インガソル記念殊勲教授(歴史学・東アジア言語文明研究)。専攻は近代日本政治史・政治思想史。1989年に大阪府より山片蟠桃賞を受賞

五十嵐暁郎[イガラシアキオ]
1976年、東京教育大学大学院文学研究科博士課程修了。1987‐2012年、立教大学法学部教授。現在、立教大学名誉教授。専攻は現代日本政治論

福井昌子[フクイショウコ]
翻訳家。立教大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。