出版社内容情報
『けむりのゆくえ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受けた早川良一郎、もう一つの名エッセイ集。標題作「さみしいネコ」の書き出しはこうだ。「定年になると孤独になるそうである。本当のことなんだろうか。」そして池内紀さんの解説にはこうある。「略歴にうかがえるとおり、ごくふつうの人だった。勤め先はモーレツサラリーマンといわれるタイプが勤めるようなところではない。経団連には財界のお歴々が出入りするのだろうが、事務局は影のような部局であり、そこでも早川良一郎は、たいして出世せずに終わった。」この本、すべて定年退職後の日々にかかわっている。それを人一倍たのしく生きて、あざやかに書き残した『さみしいネコ』は、すぐれた人間観察にもとずき、つつましやかな寛容の精神につらぬかれ、団塊の世代にもよく効く、定年退職者のバイブルである。
内容説明
50歳をすぎてから、軽妙洒脱な随筆家として現われた著者円熟のエッセイ=定年バイブル17篇。
目次
自由への道
ウナギと美顔ブラシ
定年の敵
銀座のネオン
シラムレンの涙
土曜の午後…
クレオパトラの鼻
アンバランス
サラリーマンの椅子
月月火水木金金
さみしいネコ
お辞儀と敬礼
トインビーのズボン
よせばいいのに
空きびん人生
心の旅路
胃袋の話
著者等紹介
早川良一郎[ハヤカワリョウイチロウ]
1919年3月3日、東京生まれ。麻布小学校から麻布中学校へ。中途でロンドン大学に遊学。日本大学文学部仏文科卒業。海洋少年団本部を経て、経団連事務局に勤める。1979年定年退職。1991年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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