精霊に捕まって倒れる―医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突

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精霊に捕まって倒れる―医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突

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  • サイズ 46判/ページ数 429p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622090267
  • NDC分類 936
  • Cコード C0036

出版社内容情報

生死がせめぎ合う医療という場における異文化へのまなざしの重さを、感性豊かに、痛切に物語る傑作ノンフィクション。
ラオスから難民としてアメリカに来たモン族の一家の子、リア・リーが、てんかんの症状でカリフォルニア州の病院に運ばれてくる。しかし幼少のリアを支える両親と病院スタッフの間には、文化の違いや言語の壁ゆえの行き違いが積もってしまう。
モン族の家族の側にも医師たちの側にも、少女を救おうとする渾身の努力があった。だが両者の認識は、ことごとく衝突していた。相互の疑心は膨れ上がり、そして──。
著者は、医師たちが「愚鈍で感情に乏しい、寡黙」と評したリアの両親やモンの人びとから生き生きとした生活と文化の語りを引き出し、モン族の視点で見た事の経緯を浮かび上がらせる。その一方で医師たちからもこまやかな聞き取りを重ね、現代的な医療文化と、それが医療従事者に課している責務や意識が、リアの経過にどう関わっていたかを丹念に掘り起こしている。
本書の随所に、異文化へのアプローチの手がかりがある。原書は1997年刊行以来、アメリカで医療、福祉、ジャーナリズム、文化人類学など幅広い分野の必読書となった。医学的分類の「疾患」とは異なる「病い」の概念も広く紹介し、ケアの認識を変えたとも評される。全米批評家協会賞受賞作。

内容説明

まるで二つの惑星の衝突のように、モン族の世界と現代医療が一つの命をめぐってぶつかったとき、異文化へのまなざしの重みが明らかになる。アメリカでは多文化共生に関わる幅広い分野で必読書となり、ケアの認識を変えたとも評される傑作ノンフィクション。全米批評家協会賞受賞。

目次

誕生
魚のスープ
精霊に捕まって倒れる
医者は脳みそを食べるのか?
指示どおりに服用すること
高速脳皮質間鉛療法
政府のもの
フォアとナオカオ
少しの薬と少しの“ネン”
戦い
重大な発作
逃走
コードX
人種の坩堝
金とがらくた
なんだってまたマーセドに?
八つの問い
命か魂か
供犠

著者等紹介

ファディマン,アン[ファディマン,アン] [Fadiman,Anne]
作家、エッセイスト、編集者。1953年、ニューヨーク市生まれ。初の著書であるThe Spirit Catches You and You Fall Down(Farrar Straus & Giroux,1997)で高い評価を得て、全米批評家協会賞(National Book Critics Circle Award)をノンフィクション部門で受賞(1997年)。その後、米国の医学、看護学、文化人類学など幅広い分野の学生の課題図書となり、刊行から22年後の2019年にSlate誌の「この四半世紀の最も優れたノンフィクション50作」に選ばれている。編集者としては1998年よりファイベータカッパ協会発行の雑誌The American Scholarの編集長を6年半務め、その間にナショナル・マガジン・アワードを3度受賞。ニコルコン・ベイカー、J・M・クッツェー、オリバー・サックス、ジョン・アップダイクをはじめとする作家たちの作品の出版に携わった。2005年、イェール大学初の終身待遇のライター・イン・レジデンスとなり、現在まで同大学を拠点に活動

忠平美幸[タダヒラミユキ]
1962年生まれ。翻訳者

齋藤慎子[サイトウノリコ]
英日・西日翻訳者、ライター

江口重幸[エグチシゲユキ]
1951年生まれ。精神医学研究所付属東京武蔵野病院に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐倉

12
患者と医者が全く違う文化・自然観を持ち言語すら通じない場合、何が起こるのか?1980年代のアメリカで起こった衝突を元に描き出していく。タイトルはモン語の”カウダぺ”を訳したもの。てんかんという現象に対して、近代医学はニューロンの放電と解釈するがモン族は精霊によって選ばれたシャーマンの資格を持つものと解釈する。近代医療側は「なぜ言う通りにしないのか」、モン族の家族は「なぜ娘の体と魂を傷つけるのか」とお互いへの疑念と憤りが積み重なっていく。正解ではなく納得、著者の言う”共通の言葉”を見つけだすことは難しい。2024/05/31

yooou

8
☆☆☆☆★「グラントリノ」に登場するモン族の人々はCAIに先導され共産主義と戦ったひとたちだった。モン族は文字を持たず英語も話せないままアメリカに移住。重い癲癇に苦しむ娘を持つ家族は、医療機関と思い違いにより対立していく。なんというお話なのか。激しく感情をゆさぶられました2022/01/26

ミムロ犬

4
西洋医療とモン族患者、またはその伝統医療との衝突を描いたノンフィクション。こういう異文化の軋轢を描いたものによくあるように(一方の側から見たら)突飛な行動の描写にクスッとくる箇所があると思えば、患者の状態悪化にともなって医者と患者家族の関係が切迫した状況になりもする、かなりスリリングな一冊だ。 この本が描く文化共存への眼差しは必読だ。異文化を許容しましょうという無内容なものではなく、西洋医療もまた「異文化」に過ぎず、エスニックな背景を持つ医療を患者に押し付けているかもしれない、という自覚を促している。

ori

3
いやーーー。これ素晴らしい本だった。副題に「医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突」とあるそのままの内容で、80年代アメリカ、てんかん発作で運ばれたモン族の小児患者、その両親と医療者の長い闘いと苦悩のノンフィクション。モン族とは何者か?その歴史的・社会的・文化的な背景もきちんと説明があってわかりやすい。端的に言えばラオスの山岳農耕民族。難民としてアメリカに移民。時間の感覚等も違ったから、英語が通じないという以上に江戸時代の人と西洋医療のアメリカ人医師が話をする感じで全くお互いに通じない…2022/11/01

YASU

3
ようやく邦訳されたので読めるようになった. 本書で語られるモン族は,同化を拒み独自の世界観を守りとおす.筆者は,それらが理にかなったものであることを淡々と綴る.忘れてはならないのは,背景には必ず政治=非対称な力があいるということだ.モン族は1960~70年代に米の軍事作戦へ協力させられた末に難民となった. 一方で医療者たちの,命を救おうとし続ける真摯な態度も印象的で,懸命に努力するその姿もまた胸を打つ.これに対して,モンの人たちは命よりも魂こそ救われたいと願う.どのように両立するのか,しないのか. 2021/10/27

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