内容説明
本書は、アウグスティヌスの『告白』と『独白』を主要な典拠として、アウグスティヌスの探求構造に関する新しい分析と解釈の可能性を示そうとするものである。
目次
序章 人称存在論的な自己認識論・他者認識論の試み
第1章 『告白』冒頭の構造と「呼びかけ」
第2章 「私が言い表せるようにあわれみたまえ」Miserere ut loquar―『告白』冒頭の構造に照らして
第3章 アウグスティヌスにおける場所的表現の意味
第4章 泣くことはなぜ甘美であるのか
第5章 『告白』の記憶論における場所的空間的探求の意味
第6章 『告白』における時間論の構造
第7章 『独白』冒頭の構造と「呼びかけ」
第8章 『独白』における他者認識と自己認識と神の認識との相関性
第9章 私はあなたへと信じる―『ヨハネ福音書講解』二九・六における信論の展開
第10章 呼ぶ・呼びかける・呼び求める
第11章 アウグスティヌスにおける叫びの構造