出版社内容情報
映画監督・小津安二郎がさまざまな機会に書き綴った文章は、作品資料にとどまらず魅力的なものが多い。「殺人綺談」ほか軽快なモダンスタイルの初期エッセイ、従軍体験を克明かつ赤裸々に綴った日記と手紙、演技学講義「映画演技の性格」および映画鑑賞に必携の自作解説、そして脚本から映像へのプロセスを浮き彫りにする「東京物語」監督使用台本を収録。世界の巨匠OZUの全貌をコンパクトにとらえた1冊である。
内容説明
初期のモボ・エッセイから従軍日記、名作の監督使用台本、自作解説まで。巨匠OZUの全貌をとらえた1冊。
目次
モボ・エッセイ(殺人綺談;丸之内点景 東京の盛り場を巡る;車中も亦愉し)
中国戦線にて(戦地からの手紙1 野田高梧・筈見恒夫宛書簡;従軍日記;戦地からの手紙2 野田高梧・筈見恒夫宛書簡)
映画について(映画演技の性格;小津安二郎・自作を語る;映画の味・人生の味)
「東京物語」監督使用台本
著者等紹介
小津安二郎[オズヤスジロウ]
1903年東京深川に生まれる。1923年、松竹キネマ蒲田撮影所に撮影部助手として入社。大久保忠素組の助監督を経て1927年、時代劇『懴悔の刃』で監督デビュー。以来1962年公開の『秋刀魚の味』まで、全54作品でメガホンをとり、サイレント、トーキー、モノクロ、カラーそれぞれのフィルムに匠の技を焼き付けた。1963年腮源性癌腫により死去。1958年紫綬褒章受章、1959年芸術院賞受賞、1962年芸術院会員。作品『晩春』(1949、芸術祭文部大臣賞)『麦秋』(1951、芸術祭文部大臣賞)『東京物語』(1953、芸術祭文部大臣賞、ロンドン映画祭サザランド賞、アドルフ・ズーカー賞)『彼岸花』(1958、芸術祭文部大臣賞)『秋日和』(1960、芸術選奨文部大臣賞。以上、松竹大船)ほか
田中眞澄[タナカマサスミ]
1946年、北海道に生まれる。慶應義塾大学文学研究科修士課程修了(国文学専攻)。映画・文化史家。2011年12月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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