牛疫―兵器化され、根絶されたウイルス

個数:
電子版価格
¥4,400
  • 電子版あり

牛疫―兵器化され、根絶されたウイルス

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2025年05月25日 07時05分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 344p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622088875
  • NDC分類 645.36
  • Cコード C0022

出版社内容情報

そのウイルスを制御する力を得たとき、ある人々は根絶を夢想し連帯を訴え、ある人々はそれを兵器に変えた。紆余曲折の歴史をたどる。

牛疫は、数週間で牛の群れを壊滅させる疫病である。徹底的な検疫と殺処分しか防ぐ手段がなく、その出現以来、この疫病は人々に恐れられてきた。
ところが20世紀初め、牛疫ウイルスをワクチンにできるとわかると、牛疫と人々の関係が変わり始める。恐るべきウイルスは、制御可能な力に変わったのだ。
宿主にワクチンで免疫を与えれば、地域からウイルスを排除できる。ある国での成功が他の国でのキャンペーンを誘発し、その先に地球上からの根絶という夢が生まれた。しかしその道のりは、各国の利害にたびたび翻弄されることになった。
その一方で、ワクチンの誕生は、自国の牛を守りながらウイルスで別の地域の食糧生産を攻撃できることを想像させた。一部の国々は第二次世界大戦中に生物兵器研究を開始する。研究は、大規模な根絶キャンペーンの陰で、時にはキャンペーンを主導する国によって、戦後も続けられた。
牛疫は、人類が根絶に成功した2種のウイルスの内の一つである。牛疫は、根絶に至る最後の150年間に、国際的な連帯の意義を示し、そして科学技術があらゆる目的で利用されうることを示した。疫病との戦いを記録し、科学研究のあり方を問う、必読の書。

内容説明

そのウイルスを制御する力を得たとき、人々はそこにさまざまな可能性を見た。ある人々は地球上からの根絶を夢想し国際的な連帯を呼びかけ、ある人々はそれを兵器に変えた。致死性の病原体の最後の世紀を追う。

目次

序章 グロス・イル、一九四二年九月
第1章 牛疫および疾病制圧のための国際協力の起源
第2章 第二次世界大戦における牛疫―GIR‐1
第3章 欠乏からの自由―UNRRAの牛疫キャンペーン
第4章 発展の仕組み―FAOの牛疫キャンペーン
第5章 ふたたびグロス・イルへ―戦後世界の生物戦
第6章 牛疫根絶

著者等紹介

マクヴェティ,アマンダ・ケイ[マクヴェティ,アマンダケイ] [McVety,Amanda Kay]
歴史学者。2006年にカリフォルニア大学で博士号を取得。マイアミ大学歴史学准教授を経て、マイアミ大学歴史学教授。専門は米国の外交政策と国際組織の歴史。「国際関係・科学・環境問題の交差点」に関心を持つ

山内一也[ヤマノウチカズヤ]
1931年、神奈川県生まれ。東京大学農学部獣医畜産学科卒業。農学博士。北里研究所所員、国立予防衛生研究所室長、東京大学医科学研究所教授、日本生物科学研究所主任研究員を経て、東京大学名誉教授。日本ウイルス学会名誉会員、ベルギー・リエージュ大学名誉博士。専門はウイルス学

城山英明[シロヤマヒデアキ]
1965年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。同大助手、東京大学大学院法学政治学研究科講師、助教授を経て、東京大学大学院法学政治学研究科教授。2010年~2014年に東京大学政策ビジョン研究センター長、2014~2016年に東京大学公共政策大学院院長を務める。専門は行政学、国際行政論、科学技術と公共政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

203
ひとつのウイルスを根絶することは、かくも長く険しい道のりなのか。この牛疫をめぐる物語を読むと、新型コロナウイルスの克服など遠い夢物語のようにおもえてくる。大戦ののちに復興支援があり、冷戦による駆け引きを挿んで開発援助へ。戦争と連帯。ウイルスの打倒は、そのいずれが欠けても不可能だったのかもしれない。日本の研究者が果たした役割は大きい。ウイルスを兵器として用いる。戦中の風船爆弾に、まさかそんな計画が秘められていたとは。国がその科学的な価値をうまく活かせないのだっていつものことだ。翻訳は科学者の手によるが、⇒2020/09/14

oldman獺祭魚翁

70
不勉強故「牛疫」なる感染症を全く知らなかった。強烈な疫病で数千頭の牛の群れをあっという間に全滅させる力を持ち、19世紀末から20世紀初頭にヨーロッパを中心に対策がとられている。しかし帝国主義の台頭で東アフリカを中心として大きな損害をアフリカに与えている。日本も大陸への侵攻に合わせ、研究が進み初の不活化ワクチンの開発が行われたり、初めて知ることばかりだ。今COVID19のパンデミックが世界を覆っている。人類はいずれこれも征服していくだろうが、それに伴う差別に抗議する運動も、同様に成功征服していきたいものだ。2020/07/05

Mealla0v0

4
牛を始めとした動物に罹患する強毒性ウィルス、牛疫。非常に長きにわたり、牛を家畜とする人類を苦しめてきたが、細菌学の発達によりこの牛疫に有効なワクチンが開発された。が、それは単なる希望の始まりではなかった。たしかにワクチンは牛を救い、疫病に対する国際協力をある程度は実現させはしたが、第二次世界大戦によって、既にワクチン製造によってコントロール可能なものとなった牛疫は、同時に敵国の食糧生産に対する生物学兵器と認識されるようになる。戦後の国際協力のなかで牛疫は天然痘に続き根絶されたが、軍事的脅威の認識は残存。2020/09/01

takao

2
ふむ2020/09/08

Kazuyuki Koishikawa

1
撲滅したから天然痘の別名?とか思ったら違った。 読んで行って日本人研究者の活躍も出てきら第二次世界大戦の頃は生物兵器研究での言及の中でも日本の話増えていた。 戦後もしばらくは敵国人として扱われていたとか、その中に重要な研究者として日本人がいていつまでもその扱いしてられなかったとかウィルス対策もままらないな。 赤色は天然痘を追い払うと信じられていて赤色による処置が20世紀まで行なわれていたとか、赤色のどこかで聞いたことある話がここで触れられていたので記憶違いでなかった。2020/10/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/15690428
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品