出版社内容情報
「いまや何百という単位で世界中に建築作品がつくられ、直島やヴェネチアなどで作品めぐりができるスケールにまで広がって、「安藤忠雄」なるものは世界的な出来事として理解されている。アンドー・ウォール、アンドー・キューブといった語も昨今の建築語彙として定着しつつあるようだ。日本以上に海外ではひとりの建築家の枠をこえ、ひとつの文化現象として理解されはじめている。
しかし安藤忠雄をほんとうに理解するためには、その人に刷りこまれた信条や生き方、美学や土地に対する見方を十分に知らなければならない。メディアの上で生産され消費されている建築家像とは異なったレベルで安藤忠雄の実像に迫りたい。これが本書を執筆する動機であり、そのために各地をまわり、建築家本人からも詳しい話をうかがった」
生い立ちから現在までを同時代的背景とともにたどりつつ、住宅、商業施設、教会・寺院、学校・図書館、ミュージアム・劇場ほか種々の建築作品と環境・文化プロジェクトを精緻に読みとく。世界の「アンドー」の全体像に迫る建築史家渾身の書き下ろし。本格評伝にして作品論の決定版。
内容説明
生い立ちから現在までをたどりつつ、種々の建築作品と環境・文化プロジェクトを精緻に読みとく。世界の「アンドー」の全体像に迫る建築史家渾身の書き下ろし。本格評伝にして作品論の決定版。
目次
生い立ち
建築へ
長屋が世界を変える
住宅の時代
旅と文明
幾何学と光
生まれ変わる商業施設
宗教空間への洞察
批判的地域主義の旗手として
持続的な集合住宅を求めて―六甲の集合住宅
木の建築をめざす
公害の島を生まれ変わらせる―直島での実験
ミュージアムの建築家として
阪神・淡路大震災をこえて
東京大学教授として
安藤事務所というチーム
世界に対するメッセージ
フランソワ・ビノーとの仕事―欧州の歴史との対話
上海へ
大阪人として
著者等紹介
三宅理一[ミヤケリイチ]
1948年、東京に生まれる。東京大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程を経てパリ・エコール・デ・ボザール卒業。工学博士。芝浦工業大学、リエージュ大学、慶應義塾大学、パリ国立工芸院で教鞭をとり、藤女子大学副学長を経て現在、東京理科大学客員教授。建築史、デザイン理論、遺産学を専攻。ポンピドーセンター、ヴィトラ・デザインミュージアムなどで多くの国際展の企画をおこなう。瀋陽市ユネスコ世界遺産登録の業績に対して瀋陽市栄誉市民、日仏学術交流の業績に対してフランス政府より学術教育功労勲章(オフィシエ等級)を授かる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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