野蛮のハーモニー―ホロコースト史学論集

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野蛮のハーモニー―ホロコースト史学論集

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  • サイズ 46判/ページ数 279p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622088554
  • NDC分類 234.074
  • Cコード C1022

出版社内容情報

冷戦終結後、ポーランド・ルーマニア・ハンガリーなど旧社会主義国だった東ヨーロッパの文書保管所の資料が公開され、ホロコースト史学は大きく様変わりした。ホロコーストはアウシュヴィッツに象徴されるナチス・ドイツのユダヤ人絶滅計画に収まらない、ヨーロッパ各国の体制や地域住民が関わる複雑な現象として見直しが進んでいる。
本書では物語理論や文化史、比較ジェノサイド論などの影響が追跡される。ホロコーストをいかに語るのかは、「記憶をめぐる戦争」が進行中のヨーロッパでは死活問題なのである。
アウシュヴィッツの死体処理施設で働かされたユダヤ人=ゾンダーコマンド(特別労働班)がひそかに撮影した写真や地下に埋めた書き物は、「表象」以上に倫理の問題を提示している。そのひとりだったグラドフスキは、収容所内でオーケストラの演奏する音楽を聴いたときの驚きを書き遺した。
「ここではなにもかもが可能である。これは野蛮のハーモニーである」。
歴史についてどれほど多くのことが知られていても、ものごとの核心には暗くて不透明なものが残っている。同じ過去を表象するのにも多数のやり方がある。「限界に位置する出来事」であったホロコーストをどのように語るのかは、社会の状態を測るバロメータとなるだろう。歴史の方法論と思想史の最前線に立つ論考集である。

内容説明

冷戦終結後、ポーランド・ルーマニア・ハンガリーなど旧社会主義国だった東ヨーロッパの文書保管所の資料が公開され、ホロコースト史学は大きく様変わりした。ホロコーストはアウシュヴィッツに象徴されるナチス・ドイツのユダヤ人絶滅計画に収まらない、ヨーロッパ各国の体制や地域住民が関わる複雑な現象として見直しが進んでいる。本書では物語理論や文化史、比較ジェノサイド論、トラウマ理論などの影響が追跡される。ホロコーストをいかに語るのかは、「記憶をめぐる戦争」が進行中のヨーロッパでは死活問題なのである。歴史についてどれほど多くのことが知られていても、ものごとの核心には暗くて不透明なものが残っている。同じ過去を表象するのにも多数のやり方がある。「限界に位置する出来事」であったホロコーストをどのように語るのかは、社会の状態を測るバロメータとなるだろう。歴史の方法論と思想史の最前線に立つ論考集である。

目次

第1章 「アウシュヴィッツ・シンドローム」を超えて―冷戦後のホロコースト史学
第2章 ホロコーストと「人間」
第3章 物語理論とホロコースト史学
第4章 ホロコースト史学と文化史
第5章 ダン・ストーン編『ホロコーストと歴史の方法論』序論
第6章 過去を破門する?―ホロコースト史学における物語論と合理的構築主義
第7章 ゾンダーコマンドの撮った写真
第8章 野蛮のハーモニー―「アウシュヴィッツの巻物」をホロコースト史学のなかに位置づける

著者等紹介

ストーン,ダン[ストーン,ダン] [Stone,Dan]
ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校歴史学部教授。同大学ホロコースト研究所長。ホロコーストの歴史以外にも、比較ジェノサイド論、ファシズム、「人権」概念の歴史、それに歴史理論などに関心を寄せている思想史家である。Patterns of Prejudice,Journal of Genocide Research,Critical Philosophy of Race,The Journal of Holocaust Research,Hypothesis and History of Communism in Europe各誌の編集委員、帝国戦争博物館のホロコースト・ギャラリー(ロンドン、2021年にリニューアルオープン予定)再編成のための学術諮問委員会議長を務める

上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年兵庫県尼崎市に生まれる。東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。学問論・思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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渡邊利道

6
ポストモダン思想以後のホロコースト研究の最前線報告する感じの本。アウシュヴィッツに代表される強制収容所の途方も無さの影に隠れた例えば東欧のナチスに協力したユダヤ人たちとかの地域ごとの偏差や、表象可能性の問題を思弁的でありつつ実証的なの歴史研究の立場も崩さずに論考を「書く」前提として捉えるなど、記憶とイメージの問題や物語理論や文化史など、史学に影響を与える理論的課題を実践的に検討する重くて鋭い史論集。2020/02/22

Arte

1
「ホロコースト史学論集」ということで、素人には何が議論のポイントなのか半分ぐらい分からなかったが、「終戦からしばらくは、歴史家は生き残りユダヤ人の証言を重要視してなかった」「ゾンダーコマンドはナチスの協力者だと思われていたし、当時の状況を把握していないと思われていた」「ゾンダーコマンドの残した手記から、彼らが当時の状況をある程度把握しており、よく分からないことがあることも理解していた、ことは明らか」ということぐらいは分かった。あと、表題の「野蛮のハーモニー」の意味が分かるとぞっとする。2021/03/21

PETE

0
ホロコースト研究とそれに関係する歴史理論の論争の現状を一望できる良い論文集だった。2020/06/24

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