内容説明
「宗教は人間を疎外するという考え方の根本的な修正を迫り、宗教が人類の真の進歩のためにどんなに大きな刺激となりうるかを、自らの生き方によって証明しようとした宗教観を彷彿させる。そこには現代科学の成果が信仰を困難にするどころか、むしろこれによってキリスト教の信仰内容がいかに深められ、より理解できるようになるかの証しに一生を捧げた、テイヤールの姿が大きく浮かび上がってくる。」(「テイヤールの生涯と仕事」より)イエズス会の司祭であり、また科学者として北京原人の発掘に関わった、テイヤールの主著。生前は、イエズス会から出版を認められず、歿後まもなく1950年に原書は刊行される。科学とキリスト教の綜合を目指し、人類と神の存在を宇宙にさぐる、深遠な思想を展開する。訳者による「テイヤールの生涯と仕事」と「テイヤールの著作と参考文献」を加えた新版。
目次
第1部 生命が現われるまで(宇宙の素材;物質の内面;幼年期の地球)
第2部 生命(生命の出現;生命の膨張;デーメーテール)
第3部 思考力(思考力の発生;精神圏の展開;近代の地球)
第4部 高次の生命(人類集団の未来;集団を超えるもの―高次の人格;地球の最後)
著者等紹介
ド・シャルダン,ピエール・テイヤール[ドシャルダン,ピエールテイヤール] [de Chardin,Pierre Teilhard]
1881‐1955。1881年フランスに生れる。1899年にイエズス会に入り、哲学、神学、地質学、古生物学を学ぶ。1911年司祭に叙階される。1914年第一次世界大戦に担架兵として従軍。1920‐23年パリのカトリック大学地質学助教授。1923年黄河流域学術調査隊の一員として中国に渡り、以後1946年までの大半を中国で過ごした。この間、ゴビ砂漠、オルドス地方の探険、インドからビルマ(ミャンマー)、ジャワに及ぶ学術調査旅行、さらに周口店における北京原人発掘調査などをおこない、地質学、古生物学の研究に情熱を傾けた。1946年以降はニューヨークの人類学研究機関ウェンナー・グレン財団にむかえられ、米国で暮らした『科学とキリスト』など、諸科学の総合によって統一的世界観をもとめ、科学と信仰の調和をはかる多くの著作を残した。1955年歿
美田稔[ミタミノル]
1929年広島に生れる。駐日ベルギー大使館勤務を経て、翻訳に従事。特にテイヤールの翻訳に専念し、日本テイヤール研究会代表を務めた。現代フランス思想専攻。2016年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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