海を撃つ―福島・広島・ベラルーシにて

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海を撃つ―福島・広島・ベラルーシにて

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622087823
  • NDC分類 369.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

こう語った人はあったろうか。「復興は進んだ、それ以外の事実は、やがてなかったことにされるのかもしれない。それならば、私は忘れまい。今日見た景色を、聞いた話を、忘却の向こう側へ押しやられようとしていることたちを、あなたが忘れるのなら、消し去ってしまおうとするなら、私は、記憶に、記録にとどめよう。」いわき市の山間に暮らすひとりの女性の幻視的なまなざしがとらえた、事故後7年半の福島の断層の記録。圧巻のノンフィクション。

内容説明

地震と津波、それに続いた原発事故は巨大であり、全体を語りうる人はどこにもいない。代弁もできない。ここにあるのは、いわき市の山間に暮らすひとりの女性の幻視的なまなざしがとらえた、事故後7年半の福島に走る亀裂と断層の記録である。

目次

1 あの日
2 広島、福島、チェルノブイリ
3 ジャック・ロシャール、あるいは、国際放射線防護委員会
4 アンヌマリーとアナスタシア
5 末続、測ること、暮らすこと
6 語られたこと、語られなかったこと
7 その町、その村、その人
8 ふたたび、末続
9 海を撃つ

著者等紹介

安東量子[アンドウリョウコ]
1976年広島県生まれ。震災後、ボランティア団体「福島のエートス」を設立(2011年12月)。主宰、自営業(植木屋)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

89
広島生まれの著者は、結婚を機に福島に移り住み、そこで原発事故に遭遇した。緊急事態宣言の避難指示後、福島いわきにとどまりボランティア団体「福島のエートス」を設立。「ここで暮らすことができるのか、ここでの暮らしを愛せるのか」を問いながら、放射能で汚染された福島で生活し続けるための放射線防護の活動を続けてきた。本書はその活動の軌跡を綴ったエッセイである。放射能という目に見えないものによって人は家や土地、仕事、家族、自分の居場所など多くのものを失っていく。→2021/04/18

はっせー

75
原発事故を知りたい人や3.11のときの一般市民の目線を感じたい人におすすめの本になっている!この本は著者の安東さんが3.11のときに福島に住んでいてそのときに感じた恐怖や放射線について考えたことをまとめたものになっている。読めば読むほど当時の福島の人って本当に精神的にも肉体的にも疲弊してしたことを感じる。身近な人の死そして目に見えない放射線の脅威。どれもが間髪空けずにきてしまった。安東さん自身の言葉がまるで震災を偲ぶレクイエムのように感じる。続きもあるので楽しみに読みたい!2023/08/19

百太

17
しっかり考えさせられました。ところでウクライナでは今だ・・・何度も辛い事が続いていて。。理不尽。2025/01/26

hdk

10
文章がとても上手で、すっと頭に内容が入ってきます。関西に住んでいると普段の生活で福島第1原発のことが頭によぎることは減ってきています。本書により、放射能汚染が一定収まっていること、しかし、やはり忘れられている地域や人人がいることなどを知ることができました。 広島の出身で、いわきに住む著者。原爆や原発の直接的な影響を受けていないが、影響を受けている人に心を寄せる。ベラルーシや、ノルウェーでもそれは同じ。見えないものは、ないわけではない。忘れている、知らないだけなのだ。コロナ禍の今にも気付きを得ました。 2020/04/26

林克也

9
この子が撃つべきものは海じゃない。絶対に。 熱い本だった。安東量子さんの放射する熱量がとても高く、熱中症になりそうだった。今の、とても政治とは言えない政治状況とそれに無関心な人々を見るにつけ、10年後、いや5年後には日本という“国”はもう無いのだろうが、でも安東さんの行動した実績、足跡、そしてこの本は20年後、30年後にもかつて日本と呼ばれていた地域で存在しないことにされてしまった人々や、世界各地で様々な被圧的な扱いを受けている多くの人々の力になるではないかと思う。2019/05/25

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