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人種主義の歴史 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622087519
  • NDC分類 316.8
  • Cコード C1010

出版社内容情報

人間の差異は出自によるのか、文化によるのか。生来的で変更不可能な「人種」の名のもとに権力が行使され、支配や排除が合理化される人種主義。本書は、人種主義の歴史を簡明に描きだした記念碑的著作である。
古代社会には自民族中心主義や外国人嫌悪はあっても、「人種」という概念は存在しなかった。やがて中世キリスト教社会に「反ユダヤ主義」が、大航海時代以降には植民地政策に由来する「白人至上主義」が誕生し、人種主義が世界的に猛威をふるうようになる。これら二つの「人種主義」が、ナチスのホロコーストと、米国の奴隷制および南アフリカのアパルトヘイトに帰結するまでの歴史的・形態的な比較は、本書が初めての試みである。
21世紀、グローバル資本主義の進行が「人種の境界」を無化するとき、宗教や文化における「他者」が「人種」に置き換わるのだろうか。アイデンティティの喪失に怯え、あるいはその獲得に躍起になる人びとの狂信が政治化する危険性など、人種をめぐる今後を見通す。
巻末に「訳者解説 日本の人種主義を見すえて」を付した。

序論
第一章 宗教と人種主義の発明
第二章 近代的人種主義の台頭──18、19世紀の白人至上主義と反セム主義
第三章 絶頂と退潮──20世紀の人種主義
エピローグ 人種主義と21世紀の夜明け
補遺 歴史的言説としての人種主義概念

訳者解説──日本の人種主義を見すえて

ジョージ・M・フレドリクソン[ジョージフレドリクソン]
著・文・その他

李孝徳[リタカノリ]
翻訳

内容説明

人間の差異を強調し合理化してきた差別と排除の世界史。グローバル化は「人種の境界」を無化するのか?

目次

序論
第1章 宗教と人種主義の発明
第2章 近代的人種主義の台頭―一八、一九世紀の白人至上主義と反セム主義
第3章 絶頂と退潮―二〇世紀の人種主義
エピローグ 人種主義と二一世紀の夜明け
補遺 歴史的言説としての人種主義概念

著者等紹介

フレドリクソン,ジョージ・M.[フレドリクソン,ジョージM.] [Fredrickson,George M.]
1934年生まれ。コネチカット州ブリストル市生まれ。米国の歴史学者。1956年にハーヴァード大学を卒業後、フルブライト奨学金を得てノルウェイに留学。1964年にハーヴァード大学で博士号を取得。同大学やノーザンウエスト大学で教鞭をとり、1984年から2002年までスタンフォード大学で米国史の教授を務める。専門は米国と南アフリカの人種関係の比較史。2008年、死去

李孝徳[リタカノリ]
イ・ヒョドク。1962年福岡県小倉生まれ。現在、東京外国語大学教授。表象文化論、ポストコロニアル研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kuppy

1
主にユダヤ人、米国のアフリカ人、ヨーロッパ列強支配下の西アフリカの例を上げて展開。見た目の違い、宗教観、経済的な搾取が絡み、さらに民族の神話から近代ではダーウィズムな遺伝優性学を取り入れ先鋭化していく。ドイツがフォルクス(民族)にこだわったのも国家としての独立が遅く、第一次大戦敗戦後の国家危機から這い上がるためにアーリア民族としての神話にこだわったことも大きく影響しているのだろう。日本にいるとわかりにくい黒人差別問題、ネオナチズムなどもニュースによって身近になった。読みにくい面はあるが知るべき問題である。2021/03/04

河村祐介

0
BLM系で一冊。人種差別の方や反セム(反ユダヤ主義)、そしてアフリカ人への奴隷制に端を発するアメリカ、さらには植民地政策からの南アのアパルトヘイトの比較文化史。訳書の解説がある種のこうした話題の「ヨーロッパ中心の言説の脱植民地化」という感覚でいまの日本の差別構造を捉えており、ある意味でBLMへの広範囲な連帯としては意味があるのではと。2020/08/04

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