生存する意識―植物状態の患者と対話する

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生存する意識―植物状態の患者と対話する

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622087359
  • NDC分類 493.73
  • Cコード C0040

出版社内容情報

植物状態と診断された患者たちの脳が、神経科学者の問いかけにイエスとノーで答えた。生死の狭間の意識に迫る科学ノンフィクション。「植物状態」と診断された患者にじつは十全な知覚や認識能力があるとしたら、それをどうすれば証明できるだろう? 本書の著者はfMRIなどの脳スキャン技術を用いた実践的なマインドリーディングの手法を開発した。そこで明らかになったのは、「意識がない」はずの患者たちの中に、問いかけにYes/Noで答えるなどの紛れもない認知活動をやってのける人々が少なからずいるという事実だ。意識があるかないかの二分法では捉えきれない「グレイ・ゾーン」を探究する、緊迫の研究報告。
患者が応答できるとわかったとき、「あなたは死にたいか?」と聞くべきだろうか? 著者の成果は脳損傷患者のケア、診断、医療倫理、法医学的判断といった幅広い領域に波及するものだ。しかも、著者が意識の存在証明に迫れば迫るほど、既存の枠組みでは説明できない現象が掘り起こされる。「意識」概念の輪郭が崩れ、他者との関係の中に溶けていく。新たな疑問がいくつも湧き上がる。
12年間も植物状態と思われながら、完全に近い認識能力を保っていたスコット。ヒッチコックの映画を使って意識が確認された映画好きのジェフ。グレイ・ゾーンにいたときの気持ちを回復後に語るケイトやフアン……。検出限界未満の意識が生み出す計り知れない生命力や、それを支えた家族の力にも圧倒される。脳と意識の謎の奥深さにあらためて衝撃を受ける一冊。

【海外の書評より】
「バスタイムにこの本を読み始め、三時間後、すっかり冷たくなった風呂水の中で読み終わった。……宇宙に放り出された宇宙飛行士よりも他人と深く隔絶された人々とオーウェンとのコミュニケーションにあまりにも引き込まれ、バスタブから出られなかった」――クリストフ・コッホ(神経科学者)

プロローグ
第一章 私につきまとう亡霊
第二章 ファーストコンタクト
第三章 ユニット
第四章 最小意識状態
第五章 意識の土台
第六章 言語と意識
第七章 意志と意識
第八章 テニスをしませんか?
第九章 イエスですか、ノーですか?
第一〇章 痛みがありますか?
第一一章 生命維持装置をめぐる煩悶
第一二章 ヒッチコック劇場
第一三章 死からの生還
第一四章 故郷に連れてかえって
第一五章 心を読む
エピローグ

謝辞
日本語版のための追記――原著執筆後の進展
訳者あとがき
原註
索引

エイドリアン・オーウェン[エイドリアンオーウェン]
著・文・その他

柴田裕之[シバタヤスシ]
翻訳

内容説明

そこは、意識がある/ないの二分法では捉えきれない「グレイ・ゾーン」。「植物状態」と診断された患者の脳が、問いかけにYesとNoで答えた。緊迫の研究報告。

目次

プロローグ
私につきまとう亡霊
ファーストコンタクト
ユニット
最小意識状態
意識の土台
言語と意識
意志と意識
テニスをしませんか?
イエスですか、ノーですか?
痛みがありますか?
生命維持装置をめぐる煩悶
ヒッチコック劇場
死からの生還
故郷に連れてかえって
心を読む
エピローグ

著者等紹介

オーウェン,エイドリアン[オーウェン,エイドリアン] [Owen,Adrian]
1966年生まれ。神経科学者。ウェスタン大学脳神経研究所認知神経科学・イメージング研究部門のカナダ・エクセレンス・リサーチ・チェアー。博士号をロンドン大学精神医学研究所(現在はキングス・カレッジの一部)で取得後、マギル大学モントリオール神経科学研究所、ケンブリッジ大学ウルフソン脳画像センターを経て、2005年に医学研究協議会(Medical Research Council)のケンブリッジ応用心理学研究ユニット(現・認知脳科学ユニット MRC CBU)の副ユニット長に就任。2010年より現職。特に植物状態の患者に関する研究により、脳損傷患者のケア、診断、医療倫理、法医学的判断といった幅広い分野に新たな観点をもたらした。アメリカ、イギリス、カナダの各種メディアでもこの研究が大きく特集され、反響を呼んでいる。『生存する意識―植物状態の患者と対話する』が初の単著

柴田裕之[シバタヤスシ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

94
脳障害により反応も見せない患者のうち、約15〜20%に完全に意識があることをf MRIを用いて発見した。病前には寝たきりになれば延命の希望はないと言う人たちが多いが、閉じ込め症候群となった患者のうち死にたいと答えたのはたった7%に過ぎない。本書は植物状態の患者の研究者である著者の元恋人であるモーリーンが突然病に倒れ、植物状態となり、彼女を検査した時の複雑な感情、本書発刊時に突然の訃報に胸を動かされるエピローグで感慨深い書になっている。脳の研究は未解明の事があまりに多く、奇跡的な回復も死も隣り合わせなのだ。2021/08/15

Koichiro Minematsu

51
脳機能が損傷され命は助かったものの、自らの意思で反応がない状態を植物人間という。本著ではグレー・ゾーンと言い、著者の研究の集大成が述べられているが、意識があり会話をできるとf MRIで正当性を証明し、人間の神秘に迫っている。結果で言えばグレー・ゾーンの13.4%には意識があったことになる。倫理的側面にも触れられており、勉強になった。2020/02/24

くさてる

35
「植物状態」と診断された患者に、最新の脳スキャン技術を用いることで、かれらの中に知覚や認識能力があることを証明した著者による一冊。「意識がない」はずの患者のなかにたしかに息づく感情があることが発見される流れは感動的だけど、すぐに、この発見がもたらす倫理上の課題や疑問を目の当たりにして言葉を無くすような思いになった。植物状態と診断されぴくりと動くことすらない患者が、自分の意志で応答できると分かったときに「あなたは死にたいか?」と聞くべきだろうか。そんな問いに、著者は真剣に取り組んでいる。お勧めです。2020/08/01

内島菫

19
本書は「植物状態」と診断された患者の意識を、脳という体内宇宙の暗闇の中へ探求してゆく過程であるが、科学にありがちなそうしたグレイ・ゾーンに白黒をつけることを目指しているわけではなく、グレイ・ゾーン自体を肯定している。著者は、自分たちがしていることは、「意識そのものではなく、意識があるという経験に関連する脳の変化を計測している」と自覚している。だから最新技術によっても脳の応答を計測できなかった患者がその後回復することもある。意識は常に科学に先んじ、するりと技術の網をすり抜ける。2019/09/05

にしがき

18
👍👍👍👍 著者は、植物状態(グレーゾーン)にある人の脳をスキャンして意識があるかを研究している。全く反応がない人でも意識ある場合がある。読んでいて感動すると同時に、ヒヤリとする気持ちになる。自分だったらと思うと… 著者は、実験を通して「意識」についても掘り下げる。意識とは、自分が何者かである という感覚。2019/10/10

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