金持ち課税―税の公正をめぐる経済史

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金持ち課税―税の公正をめぐる経済史

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  • サイズ B6判/ページ数 298p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622087014
  • NDC分類 345
  • Cコード C0033

出版社内容情報

富裕層課税の歴史をたどり、国はいつ、なぜ富裕層に課税するのかを明らかにする。不平等拡大を踏まえた税制議論ための基本研究。「国はいつ、なぜ富裕層に課税するのか。今日、これほどタイムリーかつ意見の対立する問題はない。…20世紀の高課税は民主主義の影響だったのか、不平等への対応だったのか。…本書は、過去へさかのぼり、富裕層課税の歴史が現在の状況に何を教えてくれるかを示していく。…我々の考えでは、社会が富裕層に課税するのは、国民が国家は富裕層に特権を与えていると考え、公正な補償によって富裕層に他の国民より多く課税するよう要求する時だ」

「1914年に大規模戦争時代が到来し、富裕層課税を支持する強力な新主張が生まれた。労働者階級が徴兵されるなら、公平に、資本家階級にも同様のことが要求される。…戦争の負担が平等でないなら、富裕層はより重税を課されるべきだ。…しかし、大規模戦争がなくなると、そうした主張は消えていく。代わりに、富裕層への高課税は新たな既存体制となり、富裕層への課税は「公正」だと、何の説明もなしに主張するしかなくなっていった。そのような状況で、富裕層の税が下がっていくのは不可避だった」

世界的に不平等が拡大するなか、税による解決は可能なのか? 歴史から新たな回答を提示する基本書。

第 I 部 課税をめぐる議論

第1章 政府が富裕層に課税する理由
富裕層課税の隆盛(と衰亡?)
富裕層課税についての一般的な考え方
「民主主義になれば富裕層への課税が重くなる」
「民主主義国は不平等が大きくなると富裕層に課税する」
「民主政治は富裕層に捕獲されることがある」
「政府は、それが自滅的だと考えるときには富裕層への課税を回避する」
市民の平等な扱い
富裕層課税の未来

第2章 市民の平等な扱い
支払い能力主義
補償論
人びとは平等な扱いを信じているのか
まとめ
歴史を用いてさまざまな主張を評価する

第 II 部 政府はどのようなときに富裕層に課税してきたか

第3章 過去2世紀の所得税
最高限界税率
最高税率の変化──民主主義の役割は?
不平等と最高限界所得税率
戦争動員と最高所得税率
戦争と個人の態度についての最初の証拠
最高所得税率の決定要因

第4章 相続財産への課税
相続課税をめぐる議論
最高相続税率のデータセット
いつ、どのようにして相続財産は課税されたか
富の不平等と相続課税
民主主義と相続課税
戦争動員の重要性
相続税の全体的な累進性
結論

第5章 文脈のなかでの富裕層課税
資本税と戦争税
間接税の負担
支出と債務の影響
財政的必要──ウィリー・サットン効果
結論

第 III 部 なぜ各国政府は富裕層に課税してきたのか

第6章 富の徴兵
イギリス
カナダ
合衆国
フランス
結論

第7章 戦争テクノロジーの役割
歴史上の三つの事例
鉄道と近代的大規模軍
大規模軍の終焉
将来への影響

第8章 なぜ富裕層課税は縮小したのか
戦後コンセンサスはあったのか
成長への危惧が税の引き下げにつながったのか
グローバリゼーションが富裕層課税を不可能にしたのか
変わりゆく公正論
今日の補償論

第9章 これからの富裕層課税
人びとを平等に扱うための三つの方法
今日の人びとが望む最高税率
富裕層課税をめぐるこれからの議論

謝辞
索引
図表一覧
原注
参考文献

ケネス・シーヴ[ケネスシーヴ]
著・文・その他

デイヴィッド・スタサヴェージ[デイヴィッドスタサヴェージ]
著・文・その他

立木勝[タチキマサル]
翻訳

内容説明

世界的に不平等が拡大するなか、税による解決は可能なのか?歴史から新たな回答を提示する基本書。

目次

第1部 課税をめぐる議論(政府が富裕層に課税する理由;市民の平等な扱い)
第2部 政府はどのようなときに富裕層に課税してきたか(過去2世紀の所得税;相続財産への課税;文脈のなかでの富裕層課税)
第3部 なぜ各国政府は富裕層に課税してきたのか(富の徴兵;戦争テクノロジーの役割;なぜ富裕層課税は縮小したのか ほか)

著者等紹介

シーヴ,ケネス[シーヴ,ケネス] [Scheve,Kenneth]
スタンフォード大学フリーマン・スポグリ国際問題研究所教授(政治学)および上級フェロー

スタサヴェージ,デイヴィッド[スタサヴェージ,デイヴィッド] [Stasavage,David]
ニューヨーク大学ウィルフ・ファミリー政治学部ジュリアス・シルヴァー教授

立木勝[タチキマサル]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

33
2016年初出。原書タイトルTaxing the Rich。データは入手可(http://press.princeton.edu/titles/10674.html)。 結論として富裕層への課税を望む者は、20世紀ではなく19世紀に主張されたタイプの補償論に目を向けるのがよい。あの時代、所得税を累進的にして、ほかの国税による逆進的な負担を相殺する必要があるという主張が多かった(25頁)。公正さについての考えが、人びとの選好や政府による税政策選択の動機となるか否かに関しては、学問的な取り組みがずっと少ない。2018/10/20

Mc6ρ助

8
公正な負担、支払い能力に応じた負担、政府の不平等な施策への補償、考えられるお金持ち課税の根拠、歴史的には、「体を徴るなら金も徴れ」(p175)という第一次、二次世界大戦の大規模徴兵の補償のみ有効だったとのこと。しかも兵器の進歩により今後大規模徴兵はない・・・。金持課税の道は険しいという著者が基本的に金持に課税すべしと考えていることは伝わってきて、そこは好ましく、その根拠の提示が出来ないことが痛々しい。2018/08/30

人生ゴルディアス

5
富裕層への累進課税の考察という珍しい内容。富裕層への増税はするべきと思いつつ、そこに根拠がない……というもやもやは確かに感じていた。著者たちは増税の根拠を補償論、特に総力戦の戦争に求める(アメリカでさえ80%の税率!)。実際、西洋東洋問わず徴税は武力階級が担ってたし、戦争を前提にしていた物が多い。また、課税を考察する際の、補償論、平等な扱い、支払い能力論という分類も非常に理解の助けになった。良書。仮想通貨ブーム以来、通貨の本質なども含めて、国家とお金の関係は新しい局面に差し掛かっているのかも。2018/08/29

Sumiyuki

5
第1章と第9章のみ読了。財政社会学的分析。租税負担の原則は応益と応能。筆者はそれに補償論を加える。補償論とは、ある税の負担が市民全体で均等ではないなら別の税を使ってバランスを取る考え。所得税の最高税率が最も高かったのは、戦時中と戦後。つまり、金持ちの徴兵逃れに対する補償という意味合い。終戦後、各国の最高税率は軒並み下がった。金持ちへの重税は公正ではないと市民が考えたからだ。著者は、最高税率を上げるよりも、控除や適用除外をなくしたり、今日的な補償論を考えるべきだと主張。人々の価値観が財政を左右する。2018/07/30

ばぶでん

4
富裕層は圧倒的少数である以上、民主国家で国民が経済合理的に行動すれば過激な累進課税が実現される筈であり、特に最近は先進国でも中流層が崩壊し、国民格差が拡大していることからすれば猶更の筈である。しかし、現実には相続税廃止や所得税のフラット化が進むのは何故か考えると確かに奇妙である。著者は、平等取扱、支払能力、補償の観点から正義・公正な課税を論じ、先の世界大戦時において国民総力戦となって説得力を獲得した「富の徴兵」等の補償論の考え方が、近代兵器主体の少数兵員化で説得力を失ったことを挙げる。目から鱗が落ちた!2018/09/05

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