「蓋然性」の探求―古代の推論術から確率論の誕生まで

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「蓋然性」の探求―古代の推論術から確率論の誕生まで

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  • サイズ B6判/ページ数 712p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622086871
  • NDC分類 417.1
  • Cコード C0041

出版社内容情報

古代の法典からパスカルの書簡まで、「蓋然性(probability)」の歴史絵巻を紐解き、確率論の前史のイメージを刷新する。「確率の歴史に関する本をずいぶん読んできたが……本書は他書を凌ぐ、それも、はるかに凌ぐ本だ。確率論の土台となったアイデアだけでなく、確率概念の真の哲学的起源についても、この本のように深部まで提示したものは、私の知るかぎり他にない。」──ナシーム・ニコラス・タレブ

■「蓋然性」(probability)とは「確からしさ」のことであり、これを数学的に純化することにより「確率」の概念は生まれた。本書は1654年に確率の数学が発見される以前の二千年以上にわたる蓋然性の歴史を、法・科学・商業・哲学・論理学を含む圧倒的に広範な領域で調べ上げ、ハッキングの『確率の出現』の成功以来信憑されてきた単純すぎる確率前史を塗り替える。

■確率概念の淵源として、これまで軽視されていた法理論やスコラ学の役割も本書は丁寧に掬い上げている。また、リスク評価と保険のルーツを掘り起こす第10章「射倖契約」や、数学的確率が産声をあげる場にクローズアップする第11章「サイコロ」の内容は、今後どのような視座から確率史を語る場合にも外せない起点となるだろう。

■法理論の分野で証拠の計量法を考え抜いたバルドゥス(2章)、時代に300年先んじて「相対頻度に基づく蓋然性」のアイデアを着想していたオレーム(6章)、アリストテレス的世界像全体の蓋然性の低さを論証したオートレクール(8章)をはじめ、著者はパスカル以前に蓋然性をめぐって非凡な洞察がなされた事例を数々見出している。この一巻は、タルムードからいかさま賭博の指南書に至るまでの幅広いテクストに賢哲たちの苦闘の跡をたどり、彼らの推論術と叡智にふれる旅でもあるのだ。

凡例



第1章 古代の証明法
エジプトとメソポタミア/タルムード/ローマ法――証明と推定/インドの法

第2章 中世の証拠法――嫌疑、半証拠、審問
暗黒時代の神判/グレゴリウス改革/註釈学派の発明――半証拠/カノン法における推定/証拠の等級と拷問/後期註釈学派 バルトルスとバルドゥス――理論の完成/異端審問/東方の法

第3章 ルネサンスの法
ヘンリー8世の結婚無効化問題/テューダー朝の反逆罪裁判/大陸法――推定のあつかい/魔女審問/イングランドの法理論と理性的人間(リーズナブル・マン)

第4章 疑う良心・道徳的確実性
悔悛と疑い/蓋然主義の教義/スアレス――陰性の疑いと陽性の疑い/グロティウス、シロン、国家の道徳性/ホッブズと攻撃のリスク/恥知らずな弛緩主義/イングランドの良心例学は中道を行く/フアン・カラムエル――弛緩主義のプリンス/パスカルの『田舎の友への手紙』

第5章 弁論術、論理学、理論
古代ギリシアの蓋然性の語彙/説得術を売るソフィストたち/アリストテレスの『弁論術』と論理学/『アレクサンドロスに贈る弁論術』/古代ローマの弁論術――キケロとクィンティリアヌス/イスラムの論理学/スコラ学の弁証的三段論法/日常言語のなかの蓋然性/人文主義者の弁論術/後期スコラ学の論理学

第6章 ハードサイエンス
観測と理論/アリストテレスの偶然排除論法/観測結果を平均した古代ギリシアの天文学/理論の単純さ/ニコル・オレームと相対頻度/コペルニクス/ケプラー――観測結果の調和/ガリレオ――コペルニクス仮説の蓋然性について

第7章 ソフトサイエンスと歴史学
『人相学』/占いと占星術/医学の経験学派と薬効試験/タルムードとマイモニデス――多数派原理/土着の平均法と品質管理/生物学の実験/歴史書の権威/文書の真贋/ヴァッラと「コンスタンティヌスの寄進状」/カノと真の歴史のしるし

第8章 哲学――行為と帰納
カルネアデスの緩和懐疑主義/エピクロス派――しるしに基づく推理/帰納懐疑論とアヴィケンナの回答/トマス・アクィナスの傾向性理論/スコトゥスとオッカム――帰納について/オートレクールのニコラ/西洋の衰退/ベーコンとデカルト――確実性か? 道徳的確実性か?/イエズス会とホッブズ――帰納について/パスカルの演繹主義的な科学哲学

第9章 宗教――神の法、自然の法
デザイン論証/教父たち/啓示による帰納懐疑論/ソールズベリのジョン/マイモニデスの創世観/自然法則は必然か?/キリスト教の適理性/パスカルの賭け

第10章 射倖契約──保険、年金、賭博
危険の値段/疑有要求――ユダヤ法/オリヴィ――徴利と将来の利得/終身年金に値段をつける/公債への投機/保険料率/ルネサンスの賭博と投機/くじ引きと富くじ/商業と良心例学者

第11章 サイコロ
古代の偶然ゲーム/中世の写本――中断されたゲームについて/カルダーノ/賭博師・良心例学者/ガリレオの小論文/ド・メレとロベルヴァル/フェルマーとパスカルの往復書簡/ホイヘンスの『偶然ゲームにおける計算』/カラムエル

第12章 結論
記号未満の蓋然性、記号への移行/蓋然性の種類とそれらの発見段階/確率論はなぜもっと早く現れなかったのか/2つのパラレル・ヒストリー/アリストテレスの影響とスコラ学者たちの貢献/思想史における法の位置/結論と教訓

エピローグ 非定量的蓋然性のサバイバル
ポール・ロワイヤル論理学/ライプニッツの蓋然性の論理学/現在まで

2015年版への後記
アップデート

訳者あとがき

原註
訳註
文献案内――1660年以前の確率について
索引

ジェームズ・フランクリン[ジェームズ フランクリン]
著・文・その他

南條郁子[ナンジョウイクコ]
翻訳

目次

古代の証明法
中世の証拠法―嫌疑、半証拠、審問
ルネサンスの法
疑う良心・道徳的確実性
弁論術、論理学、理論
ハードサイエンス
ソフトサイエンスと歴史学
哲学―行為と帰納
宗教―神の法、自然の法
射倖契約―保険、年金、賭博
サイコロ
結論
エピローグ 非定量的蓋然性のサバイバル
2015年版への後記

著者等紹介

フランクリン,ジェームズ[フランクリン,ジェームズ] [Franklin,James]
1952年シドニー生まれ。豪州ニューサウスウェールズ大学数理統計部門教授。哲学者・数学者。豪州セント・ジョゼフズ・カレッジ、ハンターズ・ヒル校およびシドニー大学を経て、英国ウォーリック大学にて代数群の研究によりPh.D.(数学)を取得。以来、ニューサウスウェールズ大学で教鞭をとる。研究対象は数学の哲学、形式科学、確率の概念史。また、オーストラリアのカソリック史も研究している

南條郁子[ナンジョウイクコ]
翻訳者。お茶の水女子大学理学部数学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

7
アイザック・トドハンター『確率の数学論史』を参照したイアン・ハッキング『確率の出現』ではパスカル以前の確率論の歴史はほぼ見当たらず、パスカル以降「出現」したとされた。本書はこの定説に対し、古代の「証拠」が「徴候」を意味した点から、古代からの徴候による論証を確率論前史と捉え、さらに近代初期までの蓋然性の非演繹的で非定量的な論証の歴史を法学、科学、哲学、論理学、商業に渡る領域に渡って浮かび上がらせる。さらに確率が数学化する近代以後も生き延びるこの論証を、著者は客観的ベイズ主義の論理的蓋然性主義に見ようとする。2018/10/23

渡邊利道

4
数学的な「確率」概念が成立する前の西欧での「蓋然性(本当らしさ)」をめぐる思考を考察した本。まず法律、古代の弁論術・論理、古代から近代に至る物理学、人相学、医学、経営学、生物学、歴史、哲学、宗教、保険、年金、賭博、サイコロと続く。数学的な確率概念の整備される以前からさまざまな本当らしさをめぐる発明的な試行錯誤があり、素晴らしい着想もあったという当たり前の事実が細かく記述され、また数学的思考の精緻化が生み出した新たな事態の意味についても考えさせる。非常に多岐にわたる論点のある本だが大変面白かった。2018/09/11

Rootport Blindwatchmaker

3
科学とは現時点で一番もっともらしい仮説の体系だ。では、そもそも「もっともらしい」とはどういうことだろう?本書は単なる確率論の成立史を超えて、人類の「もっともらしさ」の判定方法がどのように進歩してきたのかを(神託が力を持った)神話の時代から振り返っている。個人的には「暗黒時代」のはずの中世欧州が、蓋然性の概念ではそうでもなかったという議論が面白かった。また、ルネサンス~科学革命時代のオールスター総出演感が楽しい。科学的正しさを「絶対的正しさ」と勘違いする人の多い現代日本で、もっと広く読まれるべき一冊だろう。2019/09/14

gachin

2
確率概念の黎明についてつぶさに記述しまくってる。著者は博覧強記で志も高く。読んでて楽しかった。訳文も非常に読みやすかった。/ 「Aである」と「Aであると判断するのは妥当」の違いは重要。/ 法的蓋然性と数学的蓋然性は無関係(とする社会通念もあった)らしい。/ 証拠を並べることが権力関係の隠蔽になることも多々あった。

青色の月はささやく

0
これは蓋然性と言う言葉の旅の物語。定量化を目指し、科学を目指し、一部は確率へと変化し生き続けた。世界各界の立法に影響を来たし、正邪を問わず証拠力を補完してきた。未完の様子を体するが、凡する私には充分楽しめた。南條郁子氏の翻訳でなければ読み通すことはできなかった。2019/09/30

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