出版社内容情報
アドルノ生涯の課題であったモダニズム芸術擁護のための論考を中心に、映画論や自伝的エッセイも収録する。「規範」「伝統」「文化産業」「芸術社会学」「マネージメント」「バロック」といった特定の主題に焦点を当てながら、現代音楽や現代美術を多角的に論じる。アドルノ晩年の思考のエッセンスであるととともに、アドルノ自身によるアドルノ入門の書ともいえよう。
内容説明
芸術は人類にたいして人類の没落という夢を見せるのだが―音楽や美術から建築や映画まで、モダニズム芸術を批判的に擁護する論考から幼年時代の回想へ。アドルノ晩年の思考のエッセンス。
目次
模範像なしに―まえがきにかえて
アモールバッハ
伝統について
ジュ・ド・ポーム美術館での走り書き
ジルス・マリーアより
好ましからざるもののすすめ
文化産業についてのレジュメ
ある世話人への追悼文
映画の透かし絵
チャップリン二編
芸術社会学のためのテーゼ
今日の機能主義
ルッカ日誌
悪用されたバロック
ウィーン、一九六七年のイースターのあとで
芸術と諸芸術
著者等紹介
アドルノ,テオドール・W.[アドルノ,テオドールW.] [Adorno,Theodor W.]
1903‐1969。ドイツのフランクフルト・アム・マインに生まれる。同市の大学およびウィーン大学に学び、フランクフルト大学で講義していたが、ナチス政権時代、イギリスを経てアメリカに亡命、1949年帰国。翌年から同大学教授。ホルクハイマーとともに研究所を再建した。哲学・社会学・美学の領域を統合しながら、フランクフルト学派の代表的思想家として知られるいっぽう、アルバン・ベルクについて作曲を学び、作曲を重ねたほか、現代音楽に関する理論および批判を展開した。著書多数
竹峰義和[タケミネヨシカズ]
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門はドイツ思想史、映像文化論。東京大学大学院総合文化研究科准教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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