出版社内容情報
異文化が交差し、利害集団の交錯する植民地世界を生きるとは。通辞と征服、インカの呪文と女たち…先住民の実存をみごと掬いあげる。
内容説明
異文化の交差する植民地世界を生きるとは。誤訳の責を一身に負わされる通辞、恋占いにインカをよびだし異端審問にとわれるリマの「魔女」たち…先住民の実存をみごと掬いあげる歴史叙述。
目次
第1章 インカ王の隷属民―ヤナコーナ、アクリャ、ミティマエス
第2章 植民地時代を生きたヤナコーナたち
第3章 通辞と征服
第4章 コパカバーナの聖母の涙―マリア像の奇蹟と離散のインディオたち
第5章 聖母の信心講とインディオの自由
第6章 アンデス先住民遺言書論序説―十七世紀ペルー植民地社会を生きた三人のインディオ
第7章 異文化の統合と抵抗―十七世紀ペルーにおける偶像崇拝根絶巡察を通じて
第8章 リマの女たちのインカ―呪文におけるインカ表象
第9章 インカ、その三つの顔―古代王権、歴史、反乱
第10章 謝辞と解題
著者等紹介
網野徹哉[アミノテツヤ]
1960年、東京都に生まれる。1984年、東京大学文学部西洋史学科卒業。1989年、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程中退。東京大学教養学部助手、フェリス女学院大学文学部国際文化学科専任講師等を経て、2012年より東京大学教授。専攻はラテンアメリカ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翔亀
36
【始原へ57】修士論文を含む論文集。一生のうちで「チーズとうじ虫」のような歴史が書ければ悪魔に魂を売っても良い、と研究を進めた成果だという。歴史書とはこういうものをいうのか、と感心しながら読み進めた。味わい深かった。35頁にも及ぶ異例のあとがき(解題)に、父親の善彦(日本中世史)の思い出が語られる。大学で西洋史に進むと告げると「歴史は難しいぞ」と言われ、修士論文の話題には「地べたを這い蹲るように勉強しなきゃだめだ」と鉄槌の言葉を「大きな目をさらに剥き出しにして浴びせかけられた」(p300)。もともと↓2021/10/10




