出版社内容情報
「私は平面図も立面図も断面図もつくらない。空間をつくるのです」。世紀末に出現した書割的都市ウィーンを痛烈に批判した表題作をはじめ、モダニズム移行期の巨匠が自作やオットー・ワーグナーほか同時代の建築家について、のみならず家具・工芸品、絵画・映画、モードなどジャンルをこえ縦横無尽に語った論考集。日本独自編集による。『虚空へ向けて』『にもかかわらず』に続く第三の書。解題・鈴木了二。図版多数収録。
内容説明
「私は平面図も立面図も断面図もつくらない。空間をつくるのです」。世紀末に出現した書割都市ウィーンを痛烈に批判した表題作ほか、モダニズム移行期の巨匠が縦横無尽に語った全45篇(本邦初訳38篇)、日本独自編集によるロース「第三の書」。
目次
1 装飾に抗して(ウィーン市のコンペ;ミルバッハ展 ほか)
2 オーストリアに西洋文明を(カッラーラ;婦人クラブの安楽椅子 ほか)
3 戦後ウィーンとの共闘(都会と田舎―連続講演「二十世紀の外国文化」より;芸術局のためのガイドライン ほか)
4 離れてなおウィーンを語る(裸体;『人でなしの女』メルヘン ほか)
5 回想するモダニスト(アドルフ・ロース、芸術家と子供へのみずからの態度を語る;偉大な神ロース―有名建築家へのインタビュー ほか)
著者等紹介
ロース,アドルフ[ロース,アドルフ] [Loos,Adolf]
1870‐1933。オーストリアの建築家。1870年、モラヴィア地方ブルノ市(現チェコ共和国)に生まれる。ドレスデン工科大学で学び、1893年より3年間アメリカに滞在。帰国後ウィーンで建築家としてキャリアを積むかたわら種々の新聞・雑誌に多くの批評を寄稿。1922‐28年、パリに拠点を移すも晩年はふたたびウィーンに戻って活動を続けた。1933年没
鈴木了二[スズキリョウジ]
1944年生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。建築家、早稲田大学栄誉フェロー。作品「物質試行20 麻布EDGE」(1987)「物質試行37 佐木島プロジェクト」(1995/日本建築学会賞)「物質試行47 金刀比羅宮プロジェクト」(2004/村野藤吾賞、日本藝術院賞)ほか
中谷礼仁[ナカタニノリヒト]
1965年生まれ。早稲田大学大学院前期博士課程修了。早稲田大学理工学術院建築学科教授。歴史工学・建築史
加藤淳[カトウジュン]
1972年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業後、ベルリン工科大学ドイツ文学科に学ぶ。ベルリン在住10年を経て帰国後は翻訳、通訳、フリーライターとして活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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