夢遊病者たち―第一次世界大戦はいかにして始まったか〈2〉

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夢遊病者たち―第一次世界大戦はいかにして始まったか〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 844,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622085447
  • NDC分類 209.71
  • Cコード C1022

出版社内容情報

政策決定者たちは、自らの決定が戦争に展開することを見ようとせず歩を進める「夢遊病者」だった。第一次世界大戦研究の決定版。第一次世界大戦勃発の過程をこれほど克明に描いたものはないというだけでなく、本書が大きな注目を浴びた理由は、ドイツの戦争責任を強調する従来の定説を覆したことである。イギリス、フランス、オーストリア、ロシア、そしてセルビアといった国々、それらの政治指導者たち、国内情勢と外交関係の相互影響にまで射程を拡げ、公正な立場から考察したことは、著者の稀有な手腕を示すのみならず、激しい論争を呼び起こした。論争は今も続いており、第一次世界大戦が極めて現代の問題であることを証している。
時代や状況に強く規定されながらも、そこに生きる個々の人びとこそが歴史を動かしている姿が、本書を読み終えたとき、慄然と浮かび上がるだろう。全2巻。

――間違いなくこのテーマに関する決定版。微に入り細を穿った検証と、流麗な文章が結びついた稀有の書。圧倒的な質の高さに驚嘆と畏敬の念を禁じえない。学究の徒は銘記すべし、一級の史書(ヒストリー)は一級の物語(ストーリー)足りうる、と。
(ワシントン・ポスト)

第五章 バルカンの混迷
リビアへの空爆/しっちゃかめっちゃかのバルカン/優柔不断の徒/1912-13年の冬におけるバルカン危機/ブルガリアか、それともセルビアか/オーストリアの悩みの種/露仏同盟のバルカン化/パリ、歩調を早める/重圧を受けるポワンカレ

第六章 最後のチャンス――緊張緩和と危機 1912-14
デタントの限界/「今しかない」/ボスポラス海峡のドイツ人/バルカンを着火点とするシナリオ/男らしさの危機?/未来はいかに?

第三部 危機 
第七章 サライェヴォの殺人
暗殺/閃光の瞬間/捜査開始/セルビアの応答/何をなすべきか

第八章 広がる輪
諸外国の反応/ホヨス伯、ベルリンに行く/オーストリアが最後通牒へと至る道/ニコライ・ガルトヴィクの奇怪な死

第九章 サンクトペテルブルクのフランス人
ド・ロビアン伯、列車を乗り換える/ポワンカレ氏、ロシアに船出す/ポーカー勝負

第十章 最後通牒
オーストリア、要求する/セルビア、応酬する/「局地戦」、始まる

第十一章 威嚇射撃
断固たる姿勢の蔓延/「いよいよ戦争だ」/ロシアの事情

第十二章 最期の日々
妖しい一筋の光がヨーロッパの地図に降り注ぐ/ポワンカレ、パリに帰る/ロシア、軍事動員する/暗闇への跳躍/「何らかの誤解が生じたに違いありません」/ポール・カンボンの患難/イギリス、干渉する/ベルギー/軍靴

結論
訳者あとがき
原註
事項索引
人名索引

クリストファー・クラーク[クリストファー クラーク]
1960年オーストラリア生まれ。ケンブリッジ大学教授。専攻は西洋近現代史、ドイツ近現代史。著書にIron Kingdom: The Rise and Downfall of Prussia, 1600-1947など。こんにちの近現代史研究をリードする研究者の一人である。

小原淳[オバラジュン]
1975年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。和歌山大学教育学部准教授。専攻はドイツ近現代史。著書に『フォルクと帝国創設』(彩流社、2011、日本ドイツ学会学術奨励賞受賞)。訳書にJ・スタインバーグ『ビスマルク』(白水社、2013)、J・スパーパー『マルクス』(白水社、2015)、C・クラーク『夢遊病者たち』(全2巻、みすず書房、2017)。

内容説明

政策決定者たちは、自らの決定が戦争へと展開することを見ようとしない「夢遊病者」だった。戦争勃発のメカニズムを慄然と照らし出す、新たな歴史学の誕生。

目次

第2部 分断された大陸(バルカンの混迷;最後のチャンス―緊張緩和と危機 一九一二~一四)
第3部 危機(サライェヴォの殺人;広がる輪;サンクトペテルブルクのフランス人;最後通牒;威嚇射撃;最期の日々)

著者等紹介

クラーク,クリストファー[クラーク,クリストファー] [Clark,Christopher]
1960年オーストラリア生まれ。現在、ケンブリッジ大学教授。専攻は西洋近現代史、ドイツ近現代史。『夢遊病者たち―第一次世界大戦はいかにして始まったか(2)』は、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語版などが出版され、各国の歴史学界や読書界で大きな議論を呼び起こした。カンディル賞優秀賞、ロサンゼルス・タイムズ書籍賞、ヘッセル・ティットマン賞、ローラ・シャノン賞を受賞するなど、国際的に大きな注目と評価を得ている

小原淳[オバラジュン]
1975年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、和歌山大学教育学部准教授。専攻はドイツ近現代史。著書に『フォルクと帝国創設』(彩流社。2011。日本ドイツ学会学術奨励賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんやん

34
安全保障のジレンマとは、安全のために軍備を拡張することで仮想敵国を刺激し、却って安全が遠のくこと。独との国境に不安のある仏は露を支援し、黒海の権益を守りたい露はブルガリアを遠ざけ、セルビアを支援する。墺や土の衰退はバルカン半島に民族紛争を起こす。墺のボスニア併合は露の認めたものであったが、国内世論の反発は予想以上のものだった。セルビアのテロリストたちは軍内部の秘密組織で訓練され、それを知っていながら上層部は抑えることができず、墺への警告も曖昧であり、墺の警備も不十分であった。錯綜する国際情勢を読み解く。2022/01/18

Shin

21
上下巻併せて800ページ超を読了。「オーストリア皇太子がセルビアの青年に暗殺され」というお決まりの出来事は、列強諸国の政治家、君主が織り成す「戦争を不可避とする外交言説の布置」のタペストリーに覆い隠され、もはやセルビアとオーストラリアの諍いは舞台の片隅の小道具に過ぎなくなる。「もしも大事になったら貴国のせいですよ」という責任転嫁と中途半端な脅しがスパイラル的に緊張を高めること、「戦争回避」と「戦争局地化」という出口戦略の想定の違いで同じ交渉文句が全く異なる受け取られ方をすること等、学ぶことは非常に多い。2017/03/20

てれまこし

17
かなり衝撃的な内容。ドイツ(皇帝)が戦端を開いたというよりも、フランスやロシアの攻撃性、イギリスの不明瞭な態度によって戦争に巻き込まれたといった方が近い印象を受ける。やはり本書にたいする批判も多く、特にドイツでの反発が強かったらしい。いわゆる「歴史修正主義」のために利用されかねないからだ。戦争責任というのが今日のドイツの自己理解の一部を形成しているから、戦争責任を拡散してしまうと自己を否定することにつながる。歴史的真実か政治的正しさかというようなジレンマに陥る。第二次大戦に関する日本の立場と似通ってる。2022/05/22

ケニオミ

11
情報があまりにも詰まっていたため、読み逃すことがないよう、時間をかけて読みました。ドイツがボスポラス海峡を制するのではないかというロシアの思い込み。ロシアとフランスの軍事力が今後増大し、戦争を始めるのは早い方がよいというドイツの思い込み。ロシアの軍事力に頼りきり、ロシアに戦争の白紙委任状を出しているフランス。自国の問題で頭がいっぱいでフランスに引きずられるイギリス。その中での暗殺。その後のセルビアのお祭り騒ぎは、近視眼的な行動しかとれない当時のオーストリアを刺激するに十分でした。必読書だと思います。2017/04/07

MUNEKAZ

5
下巻はサラエボ事件から開戦までの1か月が中心。相次ぐ相互不信の中で、「これは防衛戦争なのだ」という物語が各国の中で醸成され、現実を見る目を歪ませていく様子が刻々と描かれていく。またその中で、勇ましい「男らしい」物言いが、敵国だけでなく同盟国に対しても、その紐帯をつなぎ留めておくために必要とされたことなど興味深いところも多い。複数国の意図せざる相互作用の中で発生した世界大戦に対し、特定の国に開戦「責任」を負わすことの難しさと愚かしさ、そして複雑極まる情勢を描き切った濃い一冊であった。2017/07/08

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