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始まりの本
カフカとの対話―手記と追想

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  • サイズ A5判/ページ数 368,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622083597
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C1398

内容説明

青年は「ドクトル・カフカ」と出会い、慕い、語り合った。人間カフカの思想・声・姿を瑞々しく伝える貴重な書物。

著者等紹介

ヤノーホ,グスタフ[ヤノーホ,グスタフ][Janouch,Gustav]
1903年、ドラーヴァ河畔のマリボル(現スロヴェニア)に生まれる。1920年17歳のとき、労働者災害保険局での父の同僚フランツ・カフカに出会う。戦前は軽音楽、とくにジャズの作曲、演奏、評論、著作といった活動によって知られた。晩年は重症の糖尿病に苦しみながらも著作に専念したが、貧困のうちに、1968年3月いわゆるプラハの春のさなか、65歳の生涯を閉じた

吉田仙太郎[ヨシダセンタロウ]
1926年大阪府に生まれる。京都大学文学部独文学科卒業。大阪女子大学名誉教授。関西チェコ/スロバキア協会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Y2K☮

34
「人間失格」を自伝だと思っている人が多い。だがある意味下手な自伝以上に自伝的だから、そう捉えるのは案外間違いではない。これも同じ。内容の全てが事実か否かなど瑣末な話。たとえばプロレスの試合やキャラクターはリアルじゃないかもしれない。だが熱い戦いから滲み出る何かは決してフェイクではあり得ないのだ。青春期のヤノーホに多大な影響を与えたカフカ。そこにどれだけ世俗的企図や欲や虚構が入り込んだとしても、浮かび上がる真実は隠せない。まさに文学。そろそろ君もこれを読む時だ。そんな声を聞いた。カフカ必ずあなたに追いつく。2018/12/29

翡翠

13
最初は純粋に、カフカとヤノーホの言葉のやり取りに意味を見いだそうと、その会話の裏に潜むカフカの真の声を聞こうとしていたのだが、段々とこれはカフカの真の声ではないと感じるように。これはヤノーホの創作であり、ここからなんらかのカフカ像を型作ることは出来ても、それはやはり実物とは佇まいが違うということ。2021/07/09

メルセ・ひすい

3
★5 1924.06.03咽頭結核の為ウィーン郊外のサナトリウムで息を引き取る。カフカはユダヤ系ドイツ人1939年3月ナチスはチェコに侵入 カフカの妹たちや恋人ミレナ・イェセンスカーは強制収容所に送られ落命する。小説家カフカは実存主義文学の優れた先駆者として…「不条理」「不安」「絶望」を鋭敏に感知した魁人として高い評価を受ける。「冷静の力は表現です。…静かな忍従は人を自由にします-たとえ処刑を前にしても」。青年は「ドクトル・カフカ」と出会い、慕い、語り合った。2013/01/05

みどり

2
この本に綴られている物語はヤノーホが描いた。ヤノーホとカフカの一つ一つのやりとりはとても興味深く思えた。カフカの言葉は真実のように聞こえるのは、ヤノーホがそう感じていたからだろうか。カフカは優しさゆえに敢えてヤノーホと違う物事の見方を取って極論に至らないよう見守っていた気もした。また、この本自体の物語も幾人もの人たちが関わっていて面白い。最後の解説まで読み応えのある本でした。2018/05/19

siori

2
ヤノーホを少し神経質だけど好奇心旺盛で活発な美少年というイメージで読んでいたのに最後解説で恰幅のよい暑苦しい系青年という事が分かって想像力って勝手だなと思いました。それにしてもカフカのぎりぎりに抑えられた(そして時に溢れて激しい)言葉は示唆に満ちていて、カフカ好きにはとても満足感のある本です。2015/11/20

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