出版社内容情報
テクストはドストエフスキーの『悪霊』より「スタヴローギンの告白」。作者自身の生々しい精神のドキュメントでもある主人公の「告白」を通して、神不在の時代における人間の「堕落」をめぐる根源的イメージについて、みなさんといっしょに考えたいと思います。正に核心をとらえたドストエフスキー入門。
亀山郁夫(東京外国語大学)
内容説明
ドストエフスキーの全作品でもっとも危険とされる「スタヴローギンの告白」(小説『悪霊』より)。作家の全人格が凝集されているこのテクストには、人間の“堕落”をめぐる根源的ともいえるイメージが息づいています。文学のリアリティとは、人間の可能性とは?一人の男がさまよいこんだ精神の闇をともに探究してみましょう。
目次
テクスト―「告白」(ドストエフスキー『悪霊』より)
第1回 なぜ『悪霊』なのか(『罪と罰』―憑依の体験;動機―なぜ『悪霊』なのか;『悪霊』とはどんな小説か ほか)
第2回 「神」のまなざし(「告白」とポリフォニー;壊れた文体;告白の意味 ほか)
第3回 少女はなぜ死んだのか?(「完全」と「欠損」、神への近さ;「奇跡」を求めて―スタヴローギンの世界遍歴;二重写し―黄金時代とマトリョーシャ ほか)
著者等紹介
亀山郁夫[カメヤマイクオ]
1949年生まれ。東京外国語大学教授。専門はロシア文学。二〇世紀ロシア文学、とりわけ全体主義時代のロシアにおける文学・表象文化全般をめぐって批評活動を行うとともに、最近ではドストエフスキー文学の新たな読解に挑戦している
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感想・レビュー
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