内容説明
わが国の失語研究の第一人者による重要論考を精選。漢字・仮名をもつ日本語に特有の失語様式「語義失語」概念を提示した「日本語における特性」論文他4編。
目次
失語症
失語―日本語における特性
失語の意味型―語義失語について
文の失読について
著者等紹介
井村恒郎[イムラツネロウ]
1906‐1981。1929年京都帝国大学文学部哲学科卒業。1940年東京帝国大学医学部卒業。同大学付属病院精神科副手ののち、1940年外来診療所医長。下総療養所、国立国府台病院等を経て、1952年国立精神衛生研究所心理学部長。1955年日本大学医学部精神神経科教授。1973年同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Z
7
どう読めばいいのかがわからなかった。既知のヨーロッパの失語症研究(ウェルニッケ野、ブローカー野の損傷など)を日本人に当てはめると、音声面での障害が顕著(漢字の読み取りはできるが、ひらがなの読み取りの方が苦手である)だが、著者は「語義失語」という漢字の方が苦手でひらがなの読み取りのほうが良好な失語症例を分離した。まではいいのだが、外傷性の症状でなく、心因性、内因性の症状として現れた場合の応用に発展できそうだが、そうした観点はこの本にはなく、よりすすんだ研究を探してみたくなった 2024/06/11