出版社内容情報
「どのようにもののみかた、考えかたが変ってきたか、これこそ心をもつ人間の歴史といえるものではないかと思う。……だからこれから書くのは自叙伝というよりは、ちっぽけな頭で感じたり、考えたりしてきたことの断章である」。
本書は、間近にせまる死を予感しつつ、みずからの生のあしあとをたどった、著者の絶筆である。
控えめな、抑制された文章からは、ひとがひとり生きぬくことの重さが静かに伝わってくる。著者は本書の刊行をみることなく、1979年10月22日、65歳の生涯を閉じた。新資料「妹への手紙」を収める。
解説:森まゆみ
神谷美恵子(かみや・みえこ)
1914年岡山に生まれる。1935年津田英学塾卒、コロンビア大学に留学。1944年東京女子医専卒、同年東京大学医学部精神科入局。1952年大阪大学医学部神経科入局。1957年-72年長島愛生園勤務。1960年-64年神戸女学院大学教授。1963年-76年津田塾大学教授。医学博士。1979年10月22日没。
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関連書:
『神谷美恵子コレクション』
生きがいについて/人間をみつめて/こころの旅/遍歴/
本、そして人
『神谷美恵子の世界』
『神谷美恵子・浦口真左 往復書簡集
内容説明
「どのようにもののみかた、考えかたが変ってきたか、これこそ心をもつ人間の歴史といえるものではないかと思う。…だからこれから書くのは自叙伝というよりは、ちっぽけな頭で感じたり、考えたりしてきたことの断章である」本書は、間近にせまる死を予感しつつ、みずからの生のあしあとをたどった、著者の絶筆である。控えめな、抑制された文章からは、ひとがひとり生きぬくことの重さが静かに伝わってくる。新資料「妹への手紙」を付す。
目次
1 スイスものがたり(序章;スイスへ行く前のこと ほか)
2 帰国(言葉の問題;「考えること」事始め ほか)
3 ペンドル・ヒル学寮の話(ペンドル・ヒルへ行くまで;ペンドル・ヒル学寮 ほか)
4 現実の荒波の中で(東大入局と終戦と文部省経験と;愛生園見学の記 ほか)
妹への手紙
著者等紹介
神谷美恵子[カミヤミエコ]
1979年10月22日に亡くなる。享年65歳
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