内容説明
人間と動植物を、受苦能力と利益の観点から平等とみなす、自然の法共同体とは何か。自然を支配する知としての科学技術は、近代においていかに発展してきたのか。一般社会に責任をもち、知るに値する学問はどうあるべきか。人間が自然に所属していることを、感性的に経験する仕方とは。社会民主主義勢力と保守勢力が、ともに手を携えて自然との和解をめざす政治文化を、これからいかに築いていくのか。自然的共世界の権利から、自然との和解という政治目標まで、歴史と将来におよぶ広大な展望のもとで粘り強く思索する。
目次
2部 自然との和解の条件(続き)(市民的法治国家から自然の法共同体へ)
3部 自然の非暴力的理解への道で(権力の第三段階で―科学と技術の政治的射程;学問の自由の正しい使用について;自然的共世界の理解―感性的教養とより自然的な技術のチャンス;自然との和解の政治的チャンス)
著者等紹介
マイヤー=アービッヒ,クラウス[マイヤーアービッヒ,クラウス][Meyer‐Abich,Klaus Michael]
1936年ハンブルク生まれ。哲学博士。1972年から2001年までエッセン大学で自然哲学を講じ、現在はエッセン大学名誉教授。1964‐1969年、ハンブルク大学でカール・フリードリッヒ・フォン・ヴァイツゼッカーの研究協力者。1970‐1972年、マックス・プランク研究所にて研究。1976‐1981年、ドイツ研究者連盟(VDW)会長。1979‐1982年、ドイツ連邦議会「将来の核エネルギー政策」審議会委員。1984‐1987年、ハンブルク市の「科学と研究」のための大臣。1987‐1994年、ドイツ連邦議会「大気圏保護」審議会委員。1989‐1996年、ノルトライン・ヴェストファーレン州科学センターの文化学研究所で「自然の文化史」研究のリーダーとして、このプロジェクトを指導。専門領域は、実践的自然哲学、自然の文化史
山内廣隆[ヤマウチヒロタカ]
広島大学大学院文学研究科教授(応用倫理・哲学講座)。文学博士。1949年鹿児島市生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学(西洋近世哲学専攻)。比治山女子短期大学、比治山大学助教授、1996年広島大学助教授を経て、現職。その間ミュンスター大学客員研究員(1998‐1999年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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