新たな生のほうへ―1978‐1980

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  • サイズ A5判/ページ数 321p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784622081203
  • NDC分類 958
  • Cコード C1310

内容説明

コレージュでの講義をつづけながら、最晩年のバルトが書き、話したテクスト40篇。芸術論、通りぬけてきた理論や対象の響き、小説への意志。色あざやかな三本の糸で織りあげられる美しい一巻。

目次

1978(少数派のなかの少数派―ザフラニ著『イスラム西方圏におけるユダヤの詩』について;音楽分析と知的作業―現代音楽の公開研究会に参加して;ゼロ度の彩色―アマチュア画家として思うこと ほか)
1979(クロニック―『ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』誌に連載した時評;「固まる」―プルーストの小説技法を考える;男性がいない―アンドレ・テシネの映画『ブロンテ姉妹』に出演して ほか)
1980(リュシアン・クレルグ写真集についてのノート―『砂の言葉』をめぐって;ピアノ 思い出―わたしにとってのピアノの魅力とは;親愛なるアントニオーニ…―イタリア映画界のなかの芸術家 ほか)

著者等紹介

バルト,ロラン[バルト,ロラン][Barthes,Roland]
1915‐1980。フランスの批評家・思想家、1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1975年に彼自身が分類した位相によれば、(1)サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話』(2)ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』(3)ソレルス、クリステヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国―日本』(4)ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの快楽』『彼自身によるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった

石川美子[イシカワヨシコ]
1980年、京都大学文学部卒業。東京大学人文科学研究科博士課程を経て、1992年、パリ第7大学で博士号取得。フランス文学専攻。現在、明治学院大学教授
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感想・レビュー

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あなた

3
ジョナサン・カラーがいう。バルトをあえて一括していうなら、「文学の人」だと。母の死に直面し、新しいエクリチュール=生を模索したバルトは文学を対象化する人間から、文学として対象化される人間になろうとする。つまり、小説家に。それが彼の新たな生だ。でも彼は書けなかった。バルトはいう「ひとはつねに愛するものを語りそこなう」。一生涯、文学を・かろやかに・語りそこないつづけた2010/07/15

sibafu

0
ロラン・バルトはやはり結局、「小説を書けなかったひと」であることを確認した。それが悪いと言いたいわけではないけれど、でもバルトは苦悩していたんじゃないかな。バルトの小説を読みたかった。2012/02/06

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