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大人の本棚
富岡日記

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  • サイズ B6判/ページ数 195p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622080879
  • NDC分類 639.021
  • Cコード C1395

出版社内容情報

明治6年、15歳の著者が故郷の信州松代を出て、日本の近代化の礎となった群馬県富岡製糸工場で技術の伝習を受けた状況、その後松代に設立された器械製糸場に帰って工女たちを指導した様子の記録。世界遺産候補の場の生き生きとした実相を唯一描き、近代日本史、女性史という枠をこえた普遍的なテクストを、ここに新たにお送りする。

内容説明

明治6年、16歳のときに官営富岡製糸場の伝習工女となり、技術の習得につとめた著者の回想。一族の歴史を背景に近代の礎の時代を懸命に生きた一女性の物語。

目次

富岡日記(私の身元;この時の人名;父よりの申渡し 母への誓い;姉と僕との錢別;出立 付添の人々 ほか)
富岡後記(六工社初見物;六工社初製糸並びに私の病気;六工社開業式と同行者の等級;六工社工女の選み方並びに工女取締;私の病気見舞並びに入場 ほか)

著者等紹介

和田英[ワダエイ]
1857‐1929。安政4(1857)年、横田数馬の次女として信州松代に生まれる。明治6(1873)年4月、16歳のとき、群馬県富岡に設けられた官営富岡製糸場の伝習工女として同郷の女子15名とともに出立し、技術の習得につとめる。翌年7月に帰国、8月より長野県西条村製糸場(後の六工社)の技術教師となり、4年後の明治11(1878)年には新しく操業した県営長野県製糸場の製糸教授に任じられる。明治13(1880)年に旧松代藩士陸軍中尉和田盛治と結婚、家庭に入る

森まゆみ[モリマユミ]
1954年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を1984年に創刊。1998年、『鴎外の坂』で芸術選奨文部大臣新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハイランド

62
萌える日記文学としてつとに有名な本を読んでみました。確かに楽しい女工ライフ、十分萌えましたが、それ以上に明治初めの武家の娘たちの持つ気概、強烈な使命感とプライドに圧倒されました。富岡製糸場でのキャッキャウフフも楽しいんですが、松代に帰ってからの六工社の立ち上げもまた読み応えがありました。明治維新後の奇跡の日本の工業化の原動力を一工女の日記から感じられました。しかしそれが女工哀史の悲劇を生み、また富国強兵が太平洋戦争へつながっていくと思うと、複雑な思いにもかられます。明治という時代を知るのに重要な一冊。2016/03/25

はる

49
面白かった。16歳の士族の娘、和田英が官営富岡製糸場の工女として働いた日々を回想した日記。美しい日本語、毅然とした態度の一方で、10代の少女らしい素直な想いも丁寧に綴られている。病気の少女を賢明に看病したり、夜中の廊下が怖くてみんなでくっついていったりする場面が可愛い。当時の世相も興味深い。森まゆみさんの解説も良かった。2020/12/17

月島雫

35
日本初の機械製糸工場、富岡製糸場で実際に女工として勤めていた方のエッセイ。製糸場の女工さんというと厳しい労働環境で働かされたというイメージがありますが富岡製糸場ではそんなことはなかったとわかりました。ここで学んだ技術を自分のお国に持ち帰り発展させるために皆が活き活きと自ら進んで業を磨いていた様子が伝わってきます。そんな中でも夜はお化けに怯える様子や官営ならではの感情「山口県民を優遇している!」という声が噴出するところなど面白かったです。富岡製糸場が世界遺産に登録されるように陰ながら応援したいと思います。2014/04/21

壱萬参仟縁

22
奥付によると、和田英さんは信州松代生れ。伝習工女として技術習得。後に製糸教授に。「夕涼み」という項目(38頁~)。信州人が盆踊りをおどるので、山口県の者も負けぬように踊るのが宜しいと。月給は、1等1円75銭、中廻り2円(44頁)。私は根が不器用でありますから、入場後もその苦心は一通りではありませぬ(83頁)。謙虚な姿勢が感じられる。松代には千曲川があり、越後は大豆小豆が出来ぬ国だから、松代の大豆を遣わし、 鯡(にしん)・鰯の肥料を持帰り、農作物の肥料にしたなら、一挙両得(120頁)。  2014/07/25

007

16
★★★☆☆ 明治初期に信州から赴いた女工さんの回顧記。先ごろ富岡製糸場が世界遺産に登録が決まり、ちょっと興味がわいたので・・・。野麦峠のような哀史的なイメージをもっていたのだけれど全然違った。労使それぞれ素晴らしくキチンとしているので驚いた。女工さんの多くが勤勉で奥ゆかしく真面目であり、家や出身地(藩)の代表として自覚している。日本の近代発展の一部分だが、勉強になった。2014/05/14

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